スペインのおすすめ観光スポットTOP25

「情熱の国」とも呼ばれるスペインは、フラメンコや闘牛などで知られています。冬でも温暖な気候になっているため、非常に旅がしやすいです。スペインが誇る観光スポットといえば、バルセロナのサグダラ・ファミリアやマドリードのプラド美術館をイメージする方も多いでしょう。しかし、スペインには独特の建築物や、穏やかで過ごしやすいリゾートがあるなど、バカンス気分で旅をするにはおすすめの国です。

今回は、スペインが誇る観光スポット25ヶ所をまとめてご紹介します。

スペイン観光で真っ先に見るべきスポット

先史時代から1万年以上にわたって続く歴史を持っているスペインは、面白い建築物や自然名所などが多く、人気観光地にも事欠きません。もしスペインを旅行するのであれば、以下にご紹介する観光名所10ヶ所から選んでみてはどうでしょうか。これらの観光スポットに出かけるだけでも、スペインの持つ魅力に十分触れられるでしょう。

1. 国立プラド美術館(マドリード)

マドリードにあるプラド美術館

スペインの首都マドリードにある1819年開館の美術館で、世界三大美術館の1つに数えられるほど有名です。スペイン王家が長年にわたって収集・保管してきた美術品コレクションが展示されており、実際に閲覧スペースで見られるものだけでも約3000点にも及びます。展示されている絵画の中には、私たちが一度は目にしたことのある名画も多いです。代表的なものだけでも、フラ・アンジェリコの『受胎告知』やヒエロニムスの『快楽の園』、ベラスケスの『ブレダの開城』などがあります。名前や画家の名前はよくわからなくても、実際に見てみればどこか見覚えがあると感じられる絵画を生で見られるため、非常に感動的かつ印象的な気分に浸れるでしょう。

公式サイト: https://www.museodelprado.es/en



2. サグラダ・ファミリア(バルセロナ)

バルセロナにあるサグラダ・ファミリア
サグラダ・ファミリアの内陣

スペインを旅行したことがなくても、一度はその名前を耳にしたり、「いまだに未完成の教会」としてイメージできたりするでしょう。サグダラ・ファミリアはスペイン有数の大都市バルセロナにあり、スペインの観光地で最も知名度が高く、最も多く観光客が訪れる観光スポットになっています。日本語の正式名称は「聖家族教会」で、スペインが誇る国民的建築家であるアントニ・ガウディが設計し、1882年から2026年の完成予定に向けて工事が続いていることで有名です。にもかかわらず、スペイン観光での写真撮影スポットでは定番であるうえ、2005年には世界遺産に登録されるなど非常に人気があります。この教会の見所としてまず挙げられるのがその外観です。いまだに工事用のクレーンが動いている状態ではあるものの、すでに完成した上部に窓の多い尖塔やファサードは普通の教会に比べて非常に独特かつ壮大な造りになっています。

また内陣も教会堂というよりも大きな森に入ったような雰囲気で、柱の1本ずつが大樹をイメージさせるような造りやデザインです。加えて窓やステンドグラスからはカラフルで温かみのある光が差し込むため、神々しさと優しさにあふれた空間を体感できます。なお生誕の門と受難の門に付いているエレベーターで100mほどの塔の上に登ると、眼下にバルセロナの街並みのほか工事中の部分も見えて、よりサグラダ・ファミリアに来た実感に浸れるでしょう。

公式サイト: http://www.sagradafamilia.org/en/



3. アルタミラ洞窟(サンタンデル近郊)

アルタミラの彩色壁画

中学や高校で習う歴史の教科書で、必ず写真入りで紹介される赤い牛が描かれたアルタミラの壁画。その壁画があるアルタミラ洞窟は、北スペインのカンタブリア州サンタンデル近郊にある洞窟です。1879年にこの地を治めていたサウトゥオラ伯爵の娘マリアが、たまたま探検した際に壁画を発見したことがきっかけで研究が開始されました。20世紀に入って研究が進展した結果、旧石器時代末期に描かれたものという結論が出て、1985年には世界遺産に登録されています。

アルタミラ洞窟は現在、絵画の傷みがひどくなってきたという理由で公開されていないものの、近くに設立されたアルタミラ博物館で壁画のレプリカが見られます。壁画には有名な赤い牛のほか、イノシシや馬なども描かれており、多くの獲物に恵まれるように願掛けしたという説が有力です。描かれている動物は色彩豊かでリアリティにあふれるため、旧石器時代人の絵心のすばらしさに触れられるでしょう。

公式サイト: http://en.museodealtamira.mcu.es/

4. グエル公園(バルセロナ)

グエル公園と住宅街

サグラダ・ファミリアと並びガウディの代表的な作品となっている公園です。もともとはガウディが依頼主のグエル伯爵とともに、バルセロナを自然と芸術あふれる街にするという理想のために、1900~14年に分譲住宅として造られました。当時はその過激な革新性ゆえにほとんどの人々に見向きされませんでしたが、後年サグラダ・ファミリアが注目される中でガウディ関係の建築物として注目されていきました。

カラフルで曲線の目立つ建築物やオブジェが特徴で、中に入って歩くだけで、まるでおとぎ話の世界にいるような気持ちになれます。しかも色遣いもスペインの温暖な気候に合うように、黄色や白色など明色系の顔料がふんだんに使われており、見ている人を楽しい気持ちにさせてくれる場所です。基本的に明るい色遣いのスポットが多いため、写真を撮ってSNSに投稿するだけでも話題の的になるでしょう。

公式サイト: https://www.parkguell.cat/en/

5. コロマレス城(ベナルマデナ)

コロマレス城

スペイン南部アンダルシア州のベナルマデナにある城です。より正確には城というよりもモニュメントで、1492年にコロンブスがアメリカ新大陸を発見したことに敬意を示す意味で、1987~94年にかけて建てられました。建物自体は、まるでおとぎ話の中に登場する城そのもので、建築様式にもビザンチン様式やアラビア様式、ゴシック様式などが使われている分、壮麗さを感じられます。このため城内には写真を撮るのにうってつけなスポットが多く、まさに美しい写真作品を作り出すために存在しているかのようです。またあまりにも豪華絢爛であるため、特に女性観光客の心をわしづかみにするでしょう。

この綺麗な映像を見ながら、スペインならではの雰囲気を味わって下さい。

6. アルカサル城(セゴビア)

セゴビアにそびえるアルカサル城

スペイン北部のカスティリヤのセゴビアに立つ壮麗な城で、「白雪姫の城」としても有名です。12世紀にイスラム勢力が築き、その後キリスト教徒がレコンキスタ(国土回復運動)で奪回した後に改築されて、現在の姿になりました。また15世紀にはアラゴン王フェルナンドとカスティリヤの女王イザベラがこの城で結婚してスペイン統一王国が成立、大航海時代を経て世界帝国に発展するきっかけとなった点で大きな意義を持つ城です。城自体はエレスマ川とクラモレス川が合流する崖の上に立っているうえ、青い屋根と白い壁を特徴とする外観から、大海原を行く船のようにたとえられます。

崖の上にそびえ立っている状態であるため、周りの遊歩道や芝生からでもじっくりとこの城の壮麗なさまが見られるのがポイントです。また外観だけではなく内装も豪華になっており、城内で最も高いホアン2世(初代カスティリヤ王)の塔や玉座の間の壁には、実に緻密で細かいところまで行き届いた装飾が見られます。加えて天井部分には、イスラム様式の流れを汲む幾何学文様も見られるため、合わせて見てみると良いでしょう。

7. リオハワインの産地ラ・リオハ(ラ・リオハ州)

ラ・リオハに広がるブドウ畑

北スペインにあるラ・リオハ州は、スペイン本土にある州の中で最も人口が少なく、面積も2番目に小さいです。このため非常に目立ちにくく、一見すると特別な観光スポットがないようにも見えます。しかしラ・リオハ州は、スペインが誇る最高級ワインであるリオハワインの原産地として有名です。このためお酒、特にワインが大好きな方にとって、スペイン観光でぜひとも訪ねておきたい穴場スポットといえるでしょう。リオハワイン関係の観光であれば、州都ログローニョなど各地にワイナリーがあるため、ぜひワイナリー見学に訪れてみるのがおすすめです。ワイナリーを見学する場合は、スペインでの観光ツアーや旅行会社経由の手続きで見ることができます。もちろんお土産として持ち帰ることもできフライト前の包装や空港の税関での手続きに気を付けてさえいれば、日本でも美味しいリオハワインを堪能できるでしょう。

8. クエンカの旧市街(クエンカ)

丘の上に建てられたクエンカ

スペイン東部、ドン・キホーテの出身地として有名なカスティリヤ・ラ・マンチャ州で指折りの観光名所が、クエンカの旧市街です。石灰岩でできた断崖の上にそびえ立つ城塞都市で、9世紀にイスラム勢力が建設し、12世紀以降はカトリックの都市として発展しました。街中に建っている家の中には、「宙づりの家」のように断崖絶壁ぎりぎりの場所に建っているものもあるため、まるで宙に浮いているようにも見えます。街並み自体はとてもカラフルな家が立ち並んでいるうえ、特に黄色と白という非常に目立つ色の家も多いため、見ていて目で楽しめます。また街の中心にあるクエンカ大聖堂やマヨール広場は街一番のランドマークで、13世紀に建てられた大聖堂はスペインでゴシック様式を持つ聖堂の最古級です。このほかにもかつての修道院を改装したパラドールも、断崖是絶壁に面したテラスでお茶ができる点などで人気があります。

9. オルデサ=モンテペルディード国立公園(アラゴン州)

オルデサ=モンテペルディド国立公園

スペインとフランスの国境にまたがるピレネー山脈にも、国内有数のおすすめ観光スポットがあります。それがオルデサ=モンテペルディード国立公園で、オルデサ渓谷とペルディード山を中心とするエリアです。このエリアには動物や植物で非常に固有のものも見られ、動物であればヤギのピレネーシャモアやモグラのピレネーデスマン、植物であればヨーロッパブナやエーデルワイスなどが見られます。またピレネー山脈で3番目に高いペルディード山も世界遺産で、展望台を巡るツアーも常に多く予約されていることで有名です。山自体はスペイン側から登る限り比較的登りやすいため、スペインが誇る名峰の姿をじっくりと眺めながら登山するにはおすすめです。またオルデサ渓谷などペルディード山周囲には多くの滝もあるうえ、コン・デ・カバーチョ滝をはじめダイナミックに水が流れるところも多いため、こちらもぜひ注目すると良いでしょう。

10. イビサ島(バレアレス諸島)

イビサ島のビーチ

スペイン本土の東、地中海に浮かぶバレアレス諸島で特に有名なリゾートです。美しい海に囲まれているうえ、ビーチやクラブ、城まであるため、長い日数滞在してもさまざまな楽しみ方ができます。イビサ島は別名「パーティーアイランド」と呼ばれるほど、クラブの文化を楽しめる場所です。このため、特に夏のバカンスには世界中から大勢のセレブやパーティーピープルなどがやってきて、島中が熱い空気を発しつつ盛り上がります。またビーチの方も、青くきらめく海と白い砂浜が広がっており、地中海有数の楽園といわれるほどです。そして島全体が世界遺産に指定され、古くからの城下町には地中海らしい白い壁の街並みが広がっています。このため楽しいダンスパーティーやビーチでのゆったりした海水浴、静かな街並み巡りなどができるため。賑やかな雰囲気が好きな方でも静かに過ごしたい方にもおすすめです。

公式サイト: http://www.ibiza.travel

スペインの観光名所:スペイン滞在中にほかに何を訪れるべきか

ここまで見てきたスペインの観光名所10ヶ所は、スペイン観光が初めての場合にぜひ訪れていただきたい場所です。一方でよりスペインの魅力を体感したり、スペインらしさに触れたいのであれば、以上の10ヶ所以外の観光名所も訪れるのがおすすめといえます。ここからは、よりスペインの魅力に触れられる人気観光地を15ヶ所ご紹介しましょう。

11. サンティアゴ・デ・コンポステーラ(ガリシア)

サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂

ガリシア州にある聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラも、スペインで見るべき名所に数えられるとともに、スペインの観光スポットランキングでも常連の場所です。もともとキリストの十二使徒に数えられるヤコブが殉教した後、彼の弟子たちがヤコブが布教活動を行ったスペインに遺体を運んで埋葬した場所とされています。その後9世紀になってヤコブの遺体が見つかったとされてから、カトリック有数の巡礼地として知られるようになりました。街並み自体はヤコブの遺体を葬ったとされる場所に建っている大聖堂を中心に、中世以来栄えてきた様をそのまま残しています。大聖堂は中式の建築様式であるロマネスク様式とゴシック様式が使われ、200人もの聖人などを象った彫刻や「栄光の門」など、その美しさは目を見張るばかりです。

また大聖堂前にあるオブラドイロ広場は、街のシンボルとして有名で、毎年7月の聖ヤコブの日になると壮麗な祭りで盛り上がる場所です。もちろん祭りの日以外にも、巡礼に訪れる敬虔なカトリックの信徒で賑やかな様子になっています。このほか、街並みもクリーム色の石壁と古くからの建築様式を組み合わせて作られているため、大聖堂への道すがらじっくり眺めるのも楽しみの1つです。

12. セゴビア旧市街(セゴビア)

古代から栄えているセゴビア

マドリードから西へ2時間、カスティリヤ・イ・レオン州にある歴史のある街です。その歴史は古代ローマ帝国の時代までさかのぼり、中世には牧畜民が移動する際の交易地として毛織物や羊毛の取引が行われて栄えました。旧市街に残っているローマの水道橋は、スペイン国内にあるもので最大クラスとなっています。釘はもちろんのこと、接着剤すらも一切用いずに建てられているため、古代ローマ人が持っていた技術力の高さを示すものです。また市街の中心にあるマヨール広場には、セゴビアのシンボルで16~18世紀に建てられたゴシック様式の大聖堂があります。ステンドグラスや彫刻などの内装も美しいうえ、大きく広がったスカートを着こんだ女性のように見える外観が「カテドラルの貴婦人」と呼ばれるほどです。なお同じ旧市街の西端には、先ほどもご紹介したアルカサル城もあるため、旧市街を見て回るのに合わせて一緒に見ておくと良いでしょう。

13. コスタ・ブラバ(カタルーニャ)

コスタ・ブラバの美しい街並み

カタルーニャ州北東部からフランス国境に至るまで広がる地中海に面したビーチで、バルセロナからは約120㎞のところにあります。スペインのみならず地中海でも有数の景勝地で、バカンスの時期にはヨーロッパ各地から多くの観光客が訪れるところです。海水は澄んだターコイズブルーになっているうえ、白い壁が特徴の家々と石畳が作り出す風景は、地中海有数の観光地にふさわしいといえます。観光地として大掛かりに開発されたエリアでは、リゾートマンションやホテルが目立っています。しかしエリアによっては開発の手が及ばなかったところもあり、そのようなエリアでは昔ながらの青い海と砂浜が広がる美しい風景が見られるでしょう。

14. トレド旧市街(トレド)

トレド旧市街

スペイン中央部カスティリヤ・ラ・マンチャ州の州都で、スペイン有数の古都として知られています。ローマ帝国や西ゴート王国、イスラム勢力、スペイン王国と支配者が何度も変わてきたため、建築物にキリスト教・イスラム教・ユダヤ教の3宗教の要素が見られます。岩山の上にそびえる城壁の中に築かれた旧市街は、世界遺産にも登録され、「1日しかスペインに居られない場合」に行くべきとされるほどの街です。旧市街には13~15世紀に建てられた大聖堂や、軍事博物館となっているアルカサルなどが有名です。大聖堂には16世紀に活躍した画家エル・グレコの宗教画や、壮麗な内装や装飾などは一見の価値があります。またアルカサルはローマ時代から要塞として使われたもので、1930年代に繰り広げられた内戦時の傷跡が生々しく残っています。

15. エル・エスコリアル修道院(マドリード)

博物館を併設しているエスコリアル修道院

首都マドリードの郊外にある修道院で、宮殿や博物館、図書館まで兼ね備えた壮大な建築物です。16世紀後半にスペイン王フェリペ2世が王室の墓所として建設されました。完成後は彼自身の宮殿として、当時世界帝国の時代を迎えていたスペインの中心となりました。内部は壮麗な装飾や絵画などが多く見られ、この修道院を訪れた際に真っ先に見ていただきたいポイントです。特に天井には多くのフレスコ画が描かれており、16~17世紀のスペインバロック様式の代表的な画家であるエル・グレコの『聖マウリシオの殉教』をはじめとする力作も見られます。また16世紀以降の歴代スペイン国王の墓所であるだけに、彼らの眠る場所の周辺にも壮麗な装飾が施されています。マドリードから比較的アクセスしやすいため、観光客からも高評価の口コミやレビューが多く寄せられています。

16. ブルゴス大聖堂(ブルゴス)

ブルゴス旧市街にそびえるブルゴス大聖堂

カスティリヤ・イ・レオン州ブルゴス県にある大聖堂です。のちにスペイン王国となるカスティリヤ王国の国王の命令で13世紀に着工され、16世紀にかけて完成しました。セビリアとトレドにある大聖堂とともに「スペイン三大カテドラル」に数えられると同時に、スペインのゴシック建築で最高傑作とさえいわれています。外観はゴシック様式建築になっているうえ、六角形の尖塔が2つ並んでいる点だけでも非常に美しいです。玄関部分の上部にもゴシック様式の彫刻が施されています。特に北側の最後の審判を描いたポルタダ・デ・ラ・コロネリアは、緻密に彫られた十二使徒・キリスト・聖母マリアの彫像がゴシック様式の伝統を見事に表現しています。内部も天井のドームとステンドグラスが美しい「元帥の礼拝堂」や、13世紀に入口上部に設置されたステンドグラス「バラ窓」など美しさと絢爛さの目立つ芸術作品が見所です。

17. スペイン広場(セビリア)

噴水を中心に広がっているスペイン広場

この名前の広場を聞くと、イタリアのローマにある『ローマの休日』の1シーンをイメージする方もいるでしょう。しかしスペイン南部のアンダルシア州セビリアにあるスペイン広場も、ローマのものに劣らず素晴らしい観光スポットです。真ん中に噴水があるほか、その周辺を壮麗なアーチが囲っており、「世界一美しい広場」の別名も持っています。加えて『スター・ウォーズエピソード2』などのロケで使われたことでも知られているため、歩いてみるとそのシーンを思い起こすことでしょう。

もともと1929年のセビリア万国博覧会の中心的となるパビリオンとして建てられたものの、スペイン伝統のムデハル様式(キリスト教とイスラム教の建築様式が融合したもの)が使われているほか、旧市街にもアクセスできます。このためスペインの歴史的な建築物ともうまく溶け合っていて見ごたえは抜群です。なおこの広場には馬車も多く乗り入れているため、その馬車でセビリア旧市街を巡っても良いでしょう。

公式サイト: https://www.visitasevilla

18. マドリード王宮(マドリード)

マドリード王宮の中庭
マドリード王宮の代表的な展示品であるスペイン王家の王冠 TheRichic

マドリードにあるスペイン王室の宮殿です。通常は王族がおらず一般公開されているほか、国家の重要な儀式の際に使われます。王宮の歴史は10世紀にまでさかのぼり、この地がイスラム勢力から奪回された際に国王の館として使われて以来、増改築が繰り返されました。現在の宮殿は1734年の焼失後、1764年に再建されたものです。残念ながら内部は撮影禁止になっている部分は多いものの、玉座の間や王宮礼拝堂など壮麗な装飾が施された場所が非常に多い点が見所です。また入口の大階段を経て到達する広間の天井には、イタリア人画家ティエポロによる美しい天井画が見られ、特にぜひ見ていただきたいところです。このほかにも「音楽の間」という部屋もあり、ここにはバイオリンの名器であるストラディバリが7台保管されていて圧巻に感じられます。

公式サイト: https://www.patrimonionacional

19. ラ・コンチャ海岸(サン・セバスチャン)

ラ・コンチャ海岸のパノラマ

スペイン北部、大西洋沿岸にあるバスク州サン・セバスティアンの有名なビーチです。19世紀にこの一帯が王国の夏の首都と定められたことがきっかけで、王侯貴族や富裕層が多くやってきて夏のバカンスを過ごす場としたことがきっかけで発展しました。名前の由来は、このビーチの海岸線が弧を描いており、まるで貝殻(スペイン語で「コンチャ」)に似た外見になっているところです。最大の見所は青い海水と白い砂浜が続いている点で、遠浅で波が穏やかな特徴を持っているため、多くの観光客が休暇を取りに来ます。またサン・セバスチャンは「美食の街」の異名を持つところで、最高級の食べ物を使ったグルメを堪能できるでしょう。加えて近くには1893年に建てられたミラマール宮殿があり、邸宅と庭園が一般公開されているため、ビーチでの滞在にアクセントを入れるために訪れると良いです。

20. アルハンブラ宮殿(グラナダ)

グラナダ市内の丘に建つアルハンブラ宮殿

スペイン南部アンダルシア州にある古都グラナダの南東の丘にある宮殿建築物群です。9世紀にイスラム勢力が建てた城塞が原型となり、その後13~15世紀にかけて大規模に整備・改築されて現在の形になりました。単に宮殿や城塞があるだけではなく、市場やモスク、学校浴場などまで完備された小さな都市のようになっているのが特徴です。最大の見所はコマレス宮に設けられた「アラヤネスの中庭」です。城内随一のビューポイントで、池から宮殿方向を見た際の水面に映る宮殿の姿は美しく、日本でも世界史の授業教材にも使われるほどです。ほかにも幾何学文様アラベスクがふんだんに使われた王宮建築や、「二姉妹の間」の天井に施された鍾乳石の飾りもまたくもの巣をイメージさせるほど緻密な設計になっています。アルハンブラ宮殿はスペインにおけるイスラム建築の粋を結集したとされている建築物群であるため、ぜひ観光をおすすめします。

公式サイト: http://www.alhambra-patronato

21. メスキータ(コルドバ)

コルドバにあるメスキータ
メスキータ内部はイスラム式建築

7世紀から15世紀までのおよそ800年にわたってスペインはイスラム勢力の支配下にあり、その間各地にメスキータ(スペイン語で「モスク」)が建てられました。そしてスペイン国内で最も有名なメスキータが、785年にコルドバに建てられたものです。このメスキータは1236年にキリスト教勢力がイスラム勢力を駆逐した際、カトリックの聖マリア大聖堂として改築されました。その結果キリスト教とイスラム教の建築様式が混在する、非常に独特な構造になりました。最も有名な場所が礼拝の間で、上部には850本もの赤色と白色の配色がされたアーチが設けられています。スペインの観光案内でメスキータの紹介がされるときは、必ずこのアーチ部分の写真を見ることになるほどです。なおこのアーチの上には、カトリック式の大聖堂に見られるドーム状の屋上があり、非常に面白いです。ほかにもイスラム建築の名残としてミナレット(尖塔)があったり、キリスト教建築のステンドグラスがあったりするなど足を止めるべき場所が多く存在します。

公式サイト: https://mezquita-catedral

22. アルカサル宮殿(セビリア)

アルカサル宮殿の中庭
天井の間にある黄金の天井

「アルカサル」と付く観光スポットは、先ほどご紹介したセゴビアのアルカサル城が有名ですが、ほかにもう1つスペイン南部のセビリアにあるものも見逃せません。こちらは宮殿として14世紀に建てられたもので、その姿もイスラム様式で建てられたアルハンブラ宮殿をほうふつとさせるものです。単にアルハンブラ宮殿を意識したというだけではなく、その後増改築されためにムデハル様式のほか、ルネサンスやゴシック様式の影響もところどころに見られます。見所は最初に建てたペドロ1世の宮殿で、イスラム様式のアラベスクや漆喰彫刻が多く見られるうえ、2階部分はゴシック様式で建てられています。また「謁見の間」には、今まさに新大陸へ出版しようとする船を見守る聖母マリアが描かれた絵が飾られ、大航海時代の繁栄ぶりが伝わってくるかのようです。「乙女の中庭」と呼ばれる庭も、アルハンブラ宮殿最大の見所であるアラヤネスの中庭を模してあります。加えて庭から見える2階のルネサンス様式部分が見えるところがこの宮殿の性格を表しているのはぜひ見ておくべきです。ほかにも政治や外交の舞台になった「大使の間」は壮麗な装飾で知られています。特に天井は宇宙をテーマにした装飾で、モザイクタイルやアーチ、漆喰細工が緻密に組まれていて言葉を失うでしょう。

公式サイト: https://www.alcazarsevilla

23. カナリア諸島(大西洋)

プエルト・デ・サンティアゴの街並み

スペイン本土から離れた大西洋上、北アフリカにあるモロッコの沖合に浮かぶ7つの島からなる諸島です。もともと先住民がいたり、アラブ人が支配したりしていましたが、最終的には15世紀以降はスペインが領有しています。本土よりもずっと南に位置するうえ、火山活動でできた島であるため、温暖な気候に恵まれているのが特徴です。このためヨーロッパでも指折りのリゾート地として知られています。主な観光スポットは、最も中心的な島であるテネリフェ島に多いです。自然スポットであれば切り立った崖が特徴的なマスカ渓谷や、標高が富士山並みに高いテイデ山を中心とする世界遺産のテイデ国立公園などがあります。またテーマパークもいろいろとあり、世界最大級のウォーターパークであるサイアムパークや、世界で最も多くオウムが飼われているロロパークもおすすめです。このほかにもスペイン人征服者が建設したサン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナも、約500年前の街の姿をそのまま残しているため歩き回る価値があります。

24. ロロパーク(カナリア諸島)

カナリア諸島デネリフェ島のロロパーク Matthias Friedewald
ロロパークのオウム園

カナリア諸島のテネリフェ島には、ロロパークと呼ばれる動物園と植物園・水族館がまとまったテーマパークがあります。島内の街プエルト・デ・ラ・クルス郊外にあり、カナリア諸島にあるアトラクションでは最も人気のある場所です。パーク内には、およそ700頭もの動物が飼われています。「ロロ」はスペイン語で「オウム」を意味するため、このパーク最大の見所は多く飼われているオウムです。オウム園としての規模は世界最大で、飼われているオウムの種類も350種と全体の半分近くに達するほどです。温暖な地域に生息し、鮮やかな緑色やピンク色の体毛を持つオウムを多く見ると、温暖なカナリア諸島らしい思い出ができるでしょう。ほかにもイルカやシャチ、ペンギン、トラなど700種類もの動物が飼われているため、動物好きな方には特におすすめです。

公式サイト: https://www.loroparque

25. マスパロマス砂丘(グラン・カナリア島)

グラン・カナリア島の沿岸に広がるマスパロマス砂丘 Himarerme
壮大な自然の営力による痕跡が見られるマスパロマス砂丘

カナリア諸島にある観光スポットはテネリフェ島のものばかりではありません。テネリフェ島の東に浮かぶグラン・カナリア島にも、マスパロマス砂丘と呼ばれる大きな砂丘があります。島の南側に広がる、全長約8㎞、幅約3㎞もの広大な砂丘で、アフリカ大陸の砂が風で運ばれて形成されました。丘の上からはどこまでも続く大西洋が広がり、周囲には砂が果てしなく続くうえ、風によって美しい線などを描いています。この砂丘は単に砂が広がっているだけではなく、周りにホテルやショッピング街、ビーチも広がっているのも特徴です。このため砂しかない退屈な場所ではなく、自由かつ賑やかな雰囲気の中で過ごせるうえ、買い物も楽しめるのがポイントといえます。

スペインの観光地には古代や中世、近世の教会や宮殿、街並みが単に残っているだけではなく、キリスト教とイスラム教の様式が融合したところが非常に多いです。このため普通の観光地を見に行く以上に、非常に独特な異国情緒を感じ取れるでしょう。自然スポットもピレネー山脈やカナリア諸島、バレンシア諸島など風光明媚なところが多いため、スペインでのホテルはそれらの自然豊かなところで予約するのもおすすめです。加えてスペインは一昔前に比べて治安がかなり良くなってきているため、昔よりも安心して観光地を回れます。もしスペインを旅したいと感じたら、ぜひ今回の記事で触れた内容や旅行パンフレットなどをスペインでのガイド代わりに活用しつつ旅してみてください。