ドイツのおすすめ観光スポットTOP25

ドイツと聞くと、ビールやソーセージ、クラシック音楽、サッカー、アウトバーンなどイメージできるものはさまざまです。同時にドイツは国内に非常に多くの観光地を抱えています。中にはノイシュバンシュタイン城のような、多くの日本人が知っている観光名所も多いです。そこで今回は、ドイツが誇る観光スポット25ヶ所をご紹介します。

ドイツ観光で真っ先に見るべきスポット

古代や中世以来、長い歴史を持っているドイツには、古い建築物や美しい自然スポットなどが目白押しです。ドイツの観光スポットには心洗われるところが非常に多いですが、ここでご紹介する10ヶ所は、初めてドイツを旅する方でもぜひ行っていただきたいほどの魅力があります。ドイツの観光地で、真っ先におすすめできる観光スポットは、以下の10ヶ所です。

1. ケルン大聖堂(ケルン)

教会建築の傑作であるケルン大聖堂
内陣に掲げられているキリストの受難を表した像 Elya

ドイツが誇る大都市で、古代ローマの時代から栄えてきたケルンのシンボルといえる大聖堂です。その歴史はローマ帝国が存在した4世紀から続き、1880年に現在の形となりました。中世のゴシック様式を誇る教会建築では世界最大で、塔の高さが157mにも及ぶその壮大さは、遠くからでも十分観察できるほどです。もちろん間近で見れば、その大きさに圧倒されるうえ、壁面に施された何百体もの彫刻が美しい雰囲気を醸し出します。内部も壮大さと荘厳さが目立つもので、まず144mにも及ぶ身廊では重厚感あふれる石柱やアーチは、この大聖堂が持つ格式の高さを体現するものです。また南側にはめ込まれたリヒターのステンドグラスや、身廊右側にあるバイエルンの窓は非常に美しく、ドイツの伝統的な教会美術の粋が詰まっています。

公式サイト: https://www.koelner-dom.de



2. ノイシュバンシュタイン城(バイエルン)

バイエルン国王ルートヴィヒ2世ゆかりのノイシュバンシュタイン城

ドイツ南部のバイエルン州にそびえる白亜色の美しい城で、ドイツ国内で代表的かつ知名度の高い観光名所です。ディズニーリゾートにあるシンデレラ城のモデルとさえいわれているこの城は、ドイツ観光スポットの写真でも必ず登場するうえ、常に高い評価のレビューや口コミが寄せられます。なおドイツ有数の大都市で、国際空港のあるフランクフルトからでも日帰りで出かけられるほど、アクセスが良いです。ただ個人で行くよりも、ドイツでの観光ツアーに参加し、観光客専用のバスなどで行くと良いでしょう。もともとこの城は19世紀にバイエルン国王だったルートヴィヒ2世が、自らが持っていた中世の騎士道に対する憧れを目に見える形にするために建てて居城としました。ただ完成する前にルートヴィヒ2世が亡くなったため、未完成の状態で現在に至っています。

この城を訪れた際の見所が、入口近くのマリエン橋と、内部の5階にある「歌人の間」です。マリエン橋からは城の全景が目に入るうえ、城の絶景を写すには最も適切な場所になっています。また歌人の間は、生前ルートヴィヒ2世が最も思い入れを込めて建てさせた祝賀会用の広間で、装飾が豪華であるうえ、彼が愛用した音楽がワーグナーの『タンホイザー』の世界にも浸れる場所です。なお近郊にあるフュッセンの町からも城の姿が眺められるうえ、夜にはライトアップされた美しい姿も見られます。

公式サイト: http://www.schloesser.bayern.de



3. ブランデンブルク門(ベルリン)

ベルリンにあるブランデンブルク門

ドイツの首都ベルリン最大のランドマークといえる大きな門で、もともと1791年にアテネのパルテノン神殿の門を真似て、関所として造られたものです。門の上には四頭立て馬車とヴィクトリア女神の像が安置されているうえ、門そのものも古典様式をふんだんに取り入れた姿となっています。

ブランデンブルク門はベルリンが辿った激動の歴史を見届けてきており、特に冷戦の際は門の前にベルリンの壁が築かれました。1989年のベルリンの壁崩壊の際は、東西ベルリンに住む多くの市民が歓喜の涙を流して、分断の歴史の終わりを喜び合った象徴的な場所でもあります。現在では東西ドイツ統一の象徴であるため、ドイツ観光で見るべき名所の1つです。門そのものも統一後に修復されたために美しいうえ、門の前にはベルリン有数の美しいパリ広場があってのんびりできるでしょう。ドイツが歩んできた苦難と歓喜の歴史に思いを馳せるにはうってつけの観光地といえます。

4. 黒い森(シュバルツバルト)

黒い森の遊歩道
黒い森を流れるトリベルクの滝

ドイツ南西部のバーデン・ヴュルテンベルク州に広がる約5000平方キロ以上に及ぶ広大な森林地帯です。ドイツトウヒやモミの木などの黒々とした外見が特徴の針葉樹が密集して構成されているため、昼間でも奥の方が真っ暗闇に見えるところから「黒い森」と名付けられました。古代ローマの時代から存在が知られており、伝統的に林業で栄えてきた一方、80年代ごろから酸性雨で大きな被害を被った場所としても知られています。

黒い森を間近で体感するうえで最もおすすめの場所が、国内最大の滝であるトリベルクの滝周辺です。滝自体もマイナスイオンをたっぷりと受けられる場所ですが、周辺には黒い森を散策できる遊歩道が整備されているため、黒い森の雄大さや漆黒さ、奥深さを間近で見られます。また野外アスレチックが楽しめるバウムクローネンヴェーク・ヴァルトキルヒや、時計パークがあるトリブルク、森の中心部を走る国道500線などもありアクティビティにも事欠きません。

ほかにも森の周辺にはバーデン・バーデンやフライブルクといった温泉地や都市があり、森で切り出した木材で作った家が多く立ち並んで美しいです。

5. ベルリン博物館島(ベルリン)

ベルリンの博物館島

ベルリン市内を流れるシュプレー川に浮かんでいる島で、ドイツ語では「ムゼウムスインゼル」と呼ばれています。この島にはペルガモン博物館など5つの博物館があり、それらがベルリン美術館を構成しています。もともと19世紀まで住宅街だったところでしたが、1830年にプロイセン王国の王室が所有していた古代ギリシャ・ローマ時代のコレクションを保管する博物館が建てられました。その後1930年までの間に計5つの博物館が建てられ、1990年には世界遺産にも登録されています。

5館にはかつてドイツが収集したギリシャやローマ、エジプト、ビザンチン帝国の美術品が展示されており、古代の美術に触れるには最高の環境です。なおなるべく多くの博物館を見て回るのであれば、市内の博物館や美術館を自由に見て回れるミュージアムパスがあると良いでしょう。

この綺麗な映像を見ながら、ドイツならではの雰囲気を味わって下さい。

6. ベルリンの壁(ベルリン)

現在も一部が残っているベルリンの壁 Ansgar Koreng

冷戦時代の1961年に、ブランデンブルク門付近など東西ベルリンの境目にソ連軍と東ドイツ軍によって建てられた壁です。1989年までベルリンを東西に分断し、ドイツや世界の分断をも象徴していました。実際にベルリンを分断していた頃は総延長155㎞にも及び、周囲には有刺鉄線が張り巡らされたり、東ベルリンからの脱出者を監視するために軍隊が監視していたりしました。

1989年11月9日、東ドイツ政府が西側諸国への旅行自由化を発表したことが壁の崩壊につながりました。現在でも壁の一部を保存してある場所がいくつかあり、中でもおすすめなのがシュプレー川沿いにあるイーストサイドギャラリーです。かつての壁の1.3㎞部分が現地でそのまま立っている姿が見られるところで、多くのアーティストが絵を残している場所でもあるため、苦難の歴史と苦難を克服した逞しさをも感じられるでしょう。

7. ツークシュピッツェ山(ドイツアルプス、ドイツ・オーストリア国境付近)

ドイツアルプスにあるツークシュピッツエ山山頂
ツークシュピッツエ山山頂にある黄金の十字架

ドイツとオーストリアの国境、ドイツ・アルプスにそびえる山です。標高は2962mで、ドイツ最高峰の山として知られています。なお名前の「ツークシュピッツェ」は、ドイツ語で「連なる峰」、つまり「連峰」という意味です。日本でいえば富士山にあたるこの山は、登山道沿いに山荘が整備されているため、日数で2日かかる登山でも食事や宿泊の心配はいりません。ただしより楽に山頂へ向かう方法として、最も近い都市であるガルミッシュ・パルテンキルヒェンから登山鉄道と、ロープウェイまたはケーブルカーで行く方法があります。このため疲れることなく楽に山頂へ向かいやすい山であるうえ、山頂の展望台からは周りに広がるアルプスの雄大な山々が見渡せます。

ちなみに山頂には黄金の十字架が立っており、下の絶景を眺めると、まるで空の中にいるような気分になるでしょう。

8. リューゲン島(ドイツ北岸)

ドイツの北海岸にあるリューゲン島
リューゲン島のリゾート地の1つであるゼリン Haloorange

ドイツ北部、バルト海に浮かぶ国内最大の島です。6000年ほど前から人々が住んでおり、ナチス政権の時代に高級軍人用のリゾートとして整備されたのがきっかけで、国内有数のリゾート地として有名になりました。本土からのおすすめのルートは、シュトラートズントから橋を経由したり、フェリーを使って上陸したりする方法です。ただしより思い出が残るようにするには、今の日本ではほとんど見られなくなった蒸気機関車が引っ張る列車で行くとなお良いでしょう。

島は青い海と白い壁の家々による風景が見事に調和しており、北欧に近い地域なのにまるでエーゲ海に来ているような気分になれます。島に点在する街にはさまざまなスパホテルが建っており、静かな時間を過ごすにはうってつけです。特にビンツは、単にリゾート地として栄えているだけでなく、島内で最も長い歴史を持っている地域として知られています。中には19世紀から営業しているホテルやこの土地を治めた貴族の屋敷もあるため、この島の歴史に触れるにはおすすめです。ドイツでのホテルで高級感あふれるところを探しているのであれば、リューゲン島は有力な選択肢になるでしょう。

公式サイト: https://www.ruegen.de

9. 国会議事堂(ベルリン)

雄大なドイツ国会議事堂

首都ベルリンにある、ドイツ連邦共和国議会の議事堂です。もともとは1894年にドイツ帝国議会の議事堂として完成し、第1次大戦後のワイマール共和国時代にも、引き続き国会議事堂として使われました。しかし1933年にヒトラーが政権を握った直後に不審火で全焼し、ナチスの独裁体制が確立するきっかけとなりました。1990年の東西ドイツ統一後に修復され、現在では連邦議会議事堂として現役で使われています。

議事堂内の観光は、約90分にわたるツアーで行われます。この中で議場などの主要施設を一通り見られるうえ、近代以降ドイツが歩んできた歴史や政治についても知ることのできるひとときです。そして議事堂最大の見所が市内を一望できるガラスドームで、そこから広がる街並みは感動的といえます。ちなみに事前の予約と、パスポートの持参は欠かさないようにしましょう。

公式サイト: http://www.bundestag.de/en/visittheBundestag

10. オクトーバーフェスト(ミュンヘン)

オクトーバーフェストの会場全景
オクトーバーフェスト最大の人気を誇るビールフェスティバル

ドイツといえば、代表的な食べ物としてジャガイモ料理やソーセージ、飲み物でビールがイメージされがちです。そのビールを1ℓ1000~1500円程度で思い切り飲める祭典が、9月と10月にミュンヘンのテレージエンウィーゼで行われるオクトーバーフェストです。いまや日本や世界でも各地で行われるようになってきたオクトーバーフェストは、本場ミュンヘンのものは200年以上の歴史があります。期間はおよそ半月程度で、その間に世界中から多くの人々が集まって、ビールを思い切り飲むほか、ソーセージや鳥の丸焼きなどを思い切り食べて楽しく過ごします。お酒が大好きな方、楽しい雰囲気にずっと浸っていたい方には非常におすすめのイベントです。

公式サイト: http://www.oktoberfest.de/en/

ドイツの観光名所:ドイツ滞在中にほかに何を訪れるべきか

ここまでドイツの観光地で、特におすすめの10ヶ所をご紹介しました。この10ヶ所の観光名所を巡るだけでも、ドイツを十分に堪能できます。しかしドイツにはほかにもさまざまな人気観光地があり、これらも巡ればドイツ通にもなれるでしょう。以下ではドイツの観光スポットランキングにもランクインするような観光名所を、さらに15ヶ所ご紹介します。

11. ケーニヒス湖(王の湖)

ケーニヒス湖

ミュンヘンから南東、オーストリアとの国境付近にある湖です。ドイツ語で「王の湖」を意味するものの、語源のKunoから派生した結果、たまたまこのような呼ばれ方になったいわれがあります。ドイツで最も透明度の高い湖であるとともに、かつてヒトラーが使っていた別荘が近くにある場所としても有名です。

湖観光では湖水の汚染を防ぐために、1世紀以上前から手漕ぎ式ボートやペダル式ボート、電気式ボートのどれかだけが使われています。ただ湖の上は非常に静かで、実際に船に乗っているときも漕ぎ手がホルンを吹かし、その音がこだまとして返ってくるさまを楽しめます。湖の静寂と水の透明度の高さが、喧騒と無縁な非日常の世界へと導いてくれるでしょう。なお湖岸沿いには12世紀に建てられた聖バルトロメ教会もあるため、静寂に包まれた聖域の中を見てみるのもおすすめです。

12. シュトリーツェルマルクト(ドレスデン)

ドイツ最古のクリスマスマーケットであるストリーツェルマルクト
クリスマスマーケットに設置されるクリスマスピラミッド

ベルリンの南にあるドイツ有数の都市ドレスデンは、ドイツにある多くの大都市と同じく長い歴史を持っています。ドレスデンの中心部で毎年クリスマスの時期に開催されるのが、ドイツ3大クリスマスマーケットの1つであるシュトリーツェルマルクトです。ドイツではクリスマスの時期に各地で同じようなマーケットが開かれますが、ここドレスデンのものは第1回が1434年と最古のものです。

最も有名なのがアルトマルクト広場で行われるもので、多くの屋台が出店しているうえ、会場を彩るイルミネーションもクリスマスらしいほのぼのとした雰囲気を演出します。屋台ではドイツ式クリスマスケーキやビール、ソーセージをはじめ地元グルメが多く扱われているため、ドイツの冬をのんびりと堪能するにはうってつけです。もちろんクリスマス関係のお土産も多く扱われているため、この機会に買い物で購入しておくのも良いでしょう。なお会場では、世界最大級でギネスに登録されている木造のクリスマスピラミッドも展示され、こちらも大きな見所となっています。

13.「花の島」マイナウ島(ドイツ南部、ボーデン湖)

マイナウ島のイタリア式水の階段 Harke
バロック様式で建てられたマイナウ宮殿 böhringer friedrich

ドイツの観光スポットの中には、広く知られていないもののぜひ訪れる価値のある穴場スポットも多いです。その穴場スポットの1つが、ドイツ南部でスイスとの国境に広がっているボーデン湖に浮かぶマイナウ島です。マイナウ島は別名「花の島」と呼ばれており、19世紀にバナナなど熱帯植物が植えられるようになってから、文字通り花が咲き乱れる楽園のような島になりました。

この島は私有地であるため、船などを使って入るには入場料を支払う必要があるため、事前に用意するべきでしょう。しかし一度入れば、美しく手入れの行き届いた熱帯植物や四季折々の花々が出迎えてくれます。季節によってさまざまな姿を見せるため、複数回訪れるのであれば季節を分けて行くのが良いでしょう。ほかにも、花でできた動物のモニュメントやブドウ畑もあったりヤギが飼われていたりするところも見ると、この島の牧歌的な姿をより楽しめます。

公式サイト: http://www.mainau.de

14. ペルガモン博物館(ベルリン)

ベルリンにあるペルガモン博物館
ペルガモン博物館に展示されているムシャッタ宮殿の入り口部分のレリーフ Raimond Spekking

ベルリンの博物館島にある5つの博物館の1つです。開館が1930年と、博物館島にある博物館では最も新しく、なおかつ最大級の人気を誇っています。古代オリエントやヘレニズム時代の美術品を多く展示しており、特に最大の見所が紀元前2世紀にトルコで栄えたペルガモン王国の「ゼウスの大祭壇」です。この祭壇はペルガモンで発掘されたものを館内で組み直してあり、ヘレニズム文化の代表的な彫刻品で、全長100m以上と圧倒的なスケールを誇ります。ほかにもバビロンにあったイシュタル門や、トルコのミレトスにあった市場門もそのまま展示されているため、見学中は驚きの連続になるでしょう。

公式サイト: http://www.smb.museum

15. ホーエンツォレルン城(シュトゥットガルト近郊)

皇帝家を輩出したホーエンツォレルン城

日本でも標高が高いところにあり、周囲を霧が包む姿の美しい城が「天空の城」として有名になることがあります。その「天空の城」のドイツ版として知られるのが、ドイツ南西部バーデン=ヴュルテンベルク州にあるホーエンツォレルン城です。標高855mの山の上に立っているため、気象条件が合えば城の周りが雲や霧に覆われて、「天空の城」としての姿を見られます。同時にこの城は、11世紀から続く領主で、19~20世紀にはドイツ皇帝にまでなったホーエンツォレルン家の居城でもあります。城自体も中世さながらの重厚な造りになっているため、本当に中世にタイムスリップしたり童話に登場する城に入ったりしている気分になれるでしょう。

公式サイト: http://www.burg-hohenzollern.com

16. アルテ・マイスター絵画館(ドレスデン)

ドレスデン美術館の1つに数えられるアルテ・マイスター絵画館 Hajotthu

ドレスデンにある、15世紀から18世紀にヨーロッパで活躍した画家の絵画を多く展示している美術館です。ドレスデン地方を治めたザクセン選帝侯が、16世紀から集めてきた絵画のコレクションが基本となっています。その後ポーランド王家などから絵画が追加されたため、18世紀になってドレスデンに展示するためのギャラリーを開設しました。第2次大戦後のソ連による支配で行方不明になったものもありましたが、50年代に東ドイツに返還されたうえで、1960年に美術館として開館しました。

美術館自体は国立ドレスデン美術館の一部となっており、かつてザクセン選帝侯が住んでいた宮殿に設置されています。おすすめの作品がラファエロの『サン・シストの聖母』で、この美術館で最高の作品とされているものです。また世界に30枚しかないフェルメールの絵画も2枚展示されているため、ぜひともお見逃しなく。

公式サイト: https://www.skd.museum

17. ヨーロッパパーク(ルスト)

ドイツ最大のテーマパークであるヨーロッパパーク Thomas Maier

フランスとの国境近くの村ルストにある、名前の通りヨーロッパをモチーフにしたテーマパークです。ヨーロッパで最も人気を誇るうえ、世界でも2番目に人気のある遊園地としてランキングされています。ドイツやフランス、イギリスなどヨーロッパ各国を扱った13エリアと、おとぎ話の世界や冒険の世界をモチーフにした3エリアから構成されています。国を扱ったエリアでは、それぞれその国固有の街並みやグルメなどを体感できるため、ドイツにいながらにしてヨーロッパ1周旅行を楽しんでいる気持ちになれるでしょう。また遊園地でもあるため、絶叫アトラクションやゲーム、各種ショーもそろっており、子供たちもつまらない思いをすることなく楽しめます。特に絶叫アトラクションは、世界でも指折りの怖いものもあるため、度胸試しにいかがでしょうか。

公式サイト: https://www.europapark.

18. ミニチュアワンダーランド(ハンブルク)

ハンブルクにあるミニチュアワンダーランド Gulp
ミニチュアワンダーランドの展示を見る来館者 Tobias Grosch

世界有数の鉄道大国であるドイツを体現している博物館が、ハンブルクにあるミニチュアワンダーランドです。現在も2028年の完全オープンに向けて鋭意建設中である一方、すでに完成したエリアは公開され、北米とヨーロッパの鉄道模型が走っています。2019年時点で鉄道模型だけでも1万1千台が走り、ほかにも人形26万体以上と自動車模型が1万台分設置されており、訪れた人をロマンと驚きに満ちた世界に招待するでしょう。今後は日本などアジアや中南米の列車模型が走る予定でもあるため、日本人にとっても将来が楽しみな博物館です。

ジオラマは遊び心や技巧にあふれており、単に列車模型を走らせるだけではなく、模型のあちこちで歴史や童話に関係する展示のされ方がされています。このため列車の走る姿だけではなく、模型のあちこちで何が起きているのかをじっくり観察するのもおすすめの楽しみ方です。ちなみに博物館自体は世界遺産にも登録されている倉庫街にあるため、倉庫街の洗練された姿を見ておくのも良いでしょう。

公式サイト: https://www.miniatur

19. ブレーメンの音楽隊像(ブレーメン)

ブレーメンのマルクト広場に立つブレーメンの音楽隊像
ブレーメン市庁舎にあるブレーメン音楽隊記念碑

小さいころ絵本などで聞かされた童話「ブレーメンの音楽隊」。その舞台であるブレーメンには、童話の記念碑がマルクト広場に面した市庁舎の前に立っています。この像は、童話の中でロバとイヌ、ニワトリ、ネコが鳴き声で泥棒を驚かそうとするくだりを再現しているものです。見ている側も懐かしい気持ちになるとともについ笑みがこぼれるでしょう。なお一番下のロバの足を触ると願い事が叶うといわれている点でも、一種のパワースポットです。

ちなみに同じマルクト広場には、「ブレーメンの音楽隊」をモチーフにしたマンホールがあります。細長い穴からコインを入れると、ロバとイヌ、ニワトリ、ネコの誰かの声が聞こえてくるという楽しい仕掛けです。

20. クアハウス(バーデン・バーデン)

バーデン・バーデンにあるクアハウス
クアハウスにあるカジノ

ドイツ語で「クアハウス」は「温泉を使った療養所」を指し、国内各地に設置されています。そして中でも黒い森近郊のバーデン・バーデンにあるクアハウスは、単なる温泉療養施設だけではなく、カジノやオペラハウスまで備えた一大温泉リゾートです。バーデン・バーデンの温泉としての歴史は2000年と長く、特に19世紀に上流階級向けのリゾート地として整備されてからは、ヨーロッパ有数の温泉リゾートとして愛好されるようになりました。

街中にある温泉療養施設としてのクアハウスは、7種類の入浴施設やサウナを中心とした「カラカラ・テルメ」と、ルネサンスの美術様式風に整備された「フリードリヒスバード」の2ヶ所です。どちらも普通に温泉に入るだけではなく、ゆったり過ごすことで心身の回復を図る施設であるため、じっくり各施設を堪能すると良いでしょう。また日本にはないカジノも併設されているため、温泉巡りの中休みに1ゲームいかがでしょうか。ちなみにカジノでのゲームに抵抗ある場合でも、建物自体が壮麗を極めた内装になっているため、じっくり見て回るのもおすすめです。

公式サイト: https://kurhaus-badenbaden

21. 聖母教会(ドレスデン)

ドレスデンの中心にある聖母教会

ドレスデンのシンボルであり、ドレスデン随一の観光スポットでもある教会です。もともと11世紀に最初の建物が建てられたものの、この地を治めたザクセン選帝侯が18世紀にプロテスタントの教会として建ててから有名になりました。しかし第2次大戦中に連合国軍の空爆が原因で倒壊し、その後も東西冷戦の影響で放置されるという苦難の歴史を味わいました。冷戦終結をきっかけにドレスデン市民が待望していた教会の再建に向けて機運が高まり、2005年にかつての姿そのままで再建が完了しました。

内陣は18世紀のバロック様式で、壮大かつ温かみのある姿をしています。加えて一番奥には巨大なパイプオルガンがあり、日曜以外の昼間と夕方にオルガン演奏に耳を傾けられるのも魅力です。このほかにも天井画や祭壇の装飾も美しいため、礼拝や演奏会がない時を狙ってじっくり見てみると良いでしょう。

公式サイト: https://www.frauenkirche

22. ハイデルベルク城(ハイデルベルク)

ケーニヒスシュトゥールサンの北斜面にそびえるハイデルベルク城
ドイツ最古のハイデルベルク城の遺構

ホーエンツォレルン城と同じバーデン=ヴュルテンベルク州でも、「大学の街」として有名なハイデルベルクにある古城です。ドイツでも指折りの知名度を誇る城で、ノイシュバンシュタイン城とホーエンツォレルン城とともに、ドイツ三大名城に数えられます。14世紀に神聖ローマ帝国の大諸侯プファルツ選帝侯の城として建てられました。

たび重なる戦乱で何度か破壊と修復を繰り返してきたものの、19世紀に地元政府の支援で昔の姿通りに修復されて以来、現在に至っています。今もなお過去に破壊された部分が多く残っているものの、ピンク色がかったレンガが印象的であるため、廃墟の姿自体が美しいです。また城館の中で最も有名で、最初の宮殿建築ともいえるフリードリヒ館は、この城最大の見所です。特に1階の礼拝堂や中にある歴代選帝侯の像、外壁に設けられた日時計はぜひ見ていくと良いでしょう。

公式サイト: https://www.schloss

23. ホルステン門(リューベック)

2つの塔を備えたホルステン門 Glenn Strong

ドイツ北部、バルト海に面している都市であるリューベックは、中世の13~16世紀にバルト海交易で大きな勢力を誇ったハンザ同盟の盟主として繁栄を極めた都市です。かつての繁栄ぶりを現在に伝えている場所に、旧市街の入口に立つホルステン門があります。15世紀後半に建てられ、現在は17世紀のリューベックの様子を展示する博物館です。建物自体は2つの立派な塔を備えた赤レンガ製で、あまりにも重みがあるため一部が傾くという特徴的な状態になっています。ただ上部に窓がついていたり、塔がとんがり帽子のようになっていたりと、単に重厚なだけではなく一種の優雅さも感じさせる門です。門の背後に旧市街の街並みが広がっていて、こちらも中世以来の歴史と伝統を感じさせてくれるため、散歩したり写真を撮ったりするうえでおすすめの観光スポットといえます。

24. マクデブルク水路橋(マクデブルク)

ベルリンとライン川流域を結ぶマクデブルク水道橋

ベルリンの南西約130㎞にある都市マクデブルクの市街地からエルベ川沿いに北へ向かったところにある水路橋です。2003年に完成し、エルベ川の上を国内最長の運河であるミッテルラント運河が通るように設計されています。橋自体の全長は918mで、遊覧船や貨物船などさまざまな船が多く行き交っています。このため川の上を船が水路橋を通じて通っていくという、一見シュールな光景が現れるのがポイントです。なお水路橋の両岸には歩道があるため、実際に多くの船が行き交うさまを楽しめます。

25. ベルヒテスガーデン国立公園(ベルヒテスガーデン)

ベルヒテスガーデン国立公園の夏
ベルヒテスガーデン国立公園から見えるケーニヒス湖

バイエルン州の南部、ケーニヒス湖などがある一帯です。スイスとの国境に近いため、豊かな森林や湖、雪をかぶった山々が特徴的なアルプスの雄大な自然を楽しめます。特にドイツ唯一のアルプス国立公園とされているために、手つかずの自然が保護されている点が魅力です。自然も豊かで目や心の保養にもつながる一方、古くからの牧畜が受け継がれている牧草地や、坑内を走るミニ列車や滑り台を楽しめる岩塩坑などもおすすめです。

ドイツの観光地をいろいろと見てきました。長い歴史を持つ教会や城に加え、楽しい時間を満喫できるイベントや自然スポットなど、実に多様でさまざまな楽しみ方ができるところが多いです。ドイツを旅する際は、今回触れた内容も旅行ブックなどとともにドイツでのガイド代わりにしていただければ幸いです。