イタリアのおすすめ観光スポットTOP30

イタリアと言えば、ローマ帝国に始まり、ルネサンスを経て繁栄した文化、また近代のイタリアファッションや食文化など、どれをとっても味わい深い国です。 膨大な数の大聖堂や宮殿、美術館、そして絶景と一度だけの滞在では回りきれないほどの観光スポットがあります。 そのため、多くの観光客が何度でも訪れる世界的にも非常に人気の高い国です。 ただし、都市ごとに特色が異なり、名所が各地に点在しているため、観光ルートに迷ってしまうことも多いでしょう。 これからのイタリア観光スポットの写真や観光地のレビューを通して、イタリアへの旅行に一歩踏み出してみませんか。 今回はイタリアの観光地でも特に訪れてみたい30ヶ所を紹介致します。

最初に見るべきイタリアの観光地リスト

数多くの観光名所を持つイタリアで最初に見るべき観光地は、首都ローマを中心とした北イタリアです。 ローマはイタリアの中央部に位置し、古代から長きにわたってイタリアの中心地として、歴史的な芸術・文化遺産が数多く残されています。 市内にはカトリックの総本山であるバチカン市国があり、イタリアを代表する遺跡と歴史の町です。 そのため、イタリアでのホテルを考えた場合、観光の拠点となるローマにとることをおすすめします。 また、ここではミラノやヴェネツィア、フィレンツェなどの特に人気の観光スポットを含めて、イタリアで見るべき名所を10ヶ所ご紹介します。

1. バチカン市国(ローマ・バチカン)

サン・ピエトロ広場を中心としたバチカン市国

カトリックの総本山として知られているバチカン市国は、ローマ北西部のテベレ川の右岸にある世界最小の独立国家です。 面積は東京ディズニーランドよりも小さい0.44平方キロメートルで、人口も世界で最も少ないです。

その国土全域がユネスコの世界文化遺産に登録されており、カトリック信者以外にも数多くの観光客が世界中から訪れます。 見所としては、イタリアの観光スポットの中では口コミ人気が最も高いサン・ピエトロ大聖堂やバチカン宮殿、そして世界最大級の美術館であるバチカン美術館です。

非常に人気のある観光名所であるバチカン市国ですが、カトリック信者にとっては聖地とも言える場所です。 そのため、注意点としてノースリーブや半ズボンなど露出のある服装を避ける必要があります。

公式サイト: http://www.vaticanstate.va/



2. パンテオン(ローマ)

パンテオンのオベリスクと神殿

「パンテオン」とは、ギリシア語の「全ての」を意味する「パン」と、「神」を意味する「テオス」より由来しており、「全ての神々の神殿」という意味です。

初代のパンテオンは紀元前25年に建てられましたが火災で焼失し、現在のものはローマ皇帝ハドリアヌスが紀元118年頃に再建した三代目です。 非常に大きなパンテオンは、古代ローマ時代の柱を構える入り口と、円形の建物が特徴的で、圧倒的な存在感があります。 それ以上にパンテオンの見所として人気があるのが、クーポラと呼ばれる丸屋根の部屋の美しさです。

天井にある幾何学的な美しい模様と、「パンテオンの目」とも称される採光窓から日ざしが差し込む光景は非常に神秘的です。 この美しさから、ルネサンスの巨匠ラファエロがパンテオンに埋葬して欲しいと願うほどでした。



3. カステル・デル・モンテ(プッリャ州アンドリア)

丘の上に立つカステル・デル・モンテ

カステル・デル・モンテは、13世紀に神聖ローマ皇帝フリードリッヒ2世が南イタリアのプッリャ州アンドレアの郊外に建てた城です。 均衡のとれた八角形構造で八角形の塔と庭があり、中世の軍事建築として大変独創的で、1996年にはユネスコの世界文化遺産に登録されました。 ただし、戦闘用や居住用の施設はなく、建設された目的は定かではありません。

イタリアユーロの1セント硬貨に描かれており、オリーヴやブドウ畑に囲まれた広野に堂々と佇む姿が印象的な城です。 有名ミステリー小説や映画、アニメの舞台ともなった場所でもあり、多くの人に知られた名城でもあります。 また、「カステル・デル・モンテ」というお城の名前を冠する銘柄のワインは初心者にも飲みやすく、お土産にも最適です

公式サイト: http://www.casteldelmonte.beniculturali.it/

4. コロッセオ(ローマ)

青空の下のコロッセオ

コロッセオは、西暦72年ローマ皇帝ティトゥスの時代に建てられた巨大な円形闘技場です。

形状は長径188メートル、短径156メートルの楕円形で、周囲は527メートルの規模があり、収容人数は55,000人ほどでした。 娯楽施設として、剣闘士同士や猛獣を相手にした戦いや、床に水を張って行われる模擬海戦が行われ、ローマ市民に娯楽として提供されていました。 イタリアの観光スポットランキングで最も人気のある観光名所で、中国の万里の長城に続き、世界で2番目に年間の訪問者数が多い観光スポットです。

当時のままに残る観客席や、人力のエレベーターなどの地下施設など、ローマ帝政期の技術力の高さを感じられることが見所です。 また、夜にはライトアップの演出がされており、幻想的な歴史遺産の姿を見ることができます。

5. システィーナ礼拝堂(ローマ・バチカン)

システィーナ礼拝堂の屋根 Maus-Trauden
システィーナ礼拝堂の天井画 Aaron Logan

システィーナ礼拝堂は、シクストゥス4世により1477から1480年にかけて建設された礼拝堂です。 この礼拝堂は、宗教的施設とローマ教皇執務室という二つの役割を果たしており、現在ではローマ教皇を選出する会議であるコンクラーヴェの会場としても使用されています。

宗教行事などがない日は一般公開されており、世界中から訪れる観光客で常にいっぱいです。 そして、この礼拝堂の最大の見所は、ミケランジェロが描いた天井画の「天地創造」と祭壇側の「最後の審判」です。

注意点としては写真撮影が禁止されていますので、カメラを置いてゆっくり鑑賞することになります。

公式サイト: http://www.museivaticani.va/

この綺麗な映像を見ながら、イタリアならではの雰囲気を味わって下さい。

6. ミラノ大聖堂(ミラノ)

青空の下のミラノ大聖堂

ミラノの象徴であるミラノ大聖堂は、1386年に建築が開始され、それから5世紀の建築期間を経て、19世紀半ばに完成した世界最大級のゴシック建築です。1 さが108メートル、奥行157メートル、幅は93メートルあり、大きさや広さでは世界で2番目を誇ります。

最初の見所は、マリアの受胎からキリスト生誕の場面までが精緻に彫られている入り口にある青銅の扉です。 次の見所としては、一枚一枚に聖書の内容を伝えるデザインが施されているステンドグラスで、600年の時の流れを感じられます。

他にも、聖バルトロメオなどの彫刻や天井まで届く無数の石柱、この教会に葬られている歴代の聖人の棺など、見所たっぷりです。 そして、エレベーターや階段で上れる屋上からは、ミラノの風景が一望できるので、晴れた日には上ることをおすすめします。

7. ヴィッラ・アドリアーナ (ティヴォリ)

大理石の彫刻が並ぶヴィッラ・アドリアーナの池

ヴィッラ・アドリアーナは、穏やかな気候と豊かな緑に囲まれたローマ近郊のティヴォリにあるハドリアヌス帝の別荘遺跡です。

ハドリアヌス帝はこの別荘の設計のほとんどを手がけ、帝国内を巡検した際に魅了された美しい建物や景観を再現したと言われています。 ギリシアのアテナイのアゴラにあった彩色柱廊(ストア・ポイキレ)を模した貯水池ポイキレをはじめ、アレキサンドリアとカノープスを結ぶ運河を模して造ったカノープス、劇場や浴場、図書館や病院も備えていました。

別荘の建物の数は30を超え、敷地面積は1.2平方キロメートルにも及び、1999年にはユネスコの世界文化遺産に登録されました。

公式サイト: https://www.coopculture.it

8. ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

ウフィツィ美術館の空が見える吹き抜けの陳列室

フィレンツェにあるウフィツィ美術館は、かつてフィレンツェを支配していたメディチ家の莫大な美術コレクションを展示している美術館です。 レオナルド・ダ・ヴィンチ、ボッティチェッリ、ラファエル、ミケランジェロなど、ルネサンスの代表的な芸術家の作品が数多く展示されています。

特に見所としては、ダ・ヴィンチ『受胎告知』やボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』、『プリマヴェーラ』などがあります。 世界中から年間200万人を越えるほどの来館者が訪れ、フィレンツェの代表的な観光名所です。 そのため、館内は非常に混み合いますので、名画をゆっくり鑑賞したい場合は、オープンに時間の入場がおすすめです。

また、フラッシュ撮影は禁止ですが、館内は撮影可能ですので、旅の思い出として形に残すことができます。

公式サイト: http://www.uffizi.it

9. カナル・グランデ(ヴェネツィア)

朝日に照らされるゴンドラが行き交うカナル・グランデ

北イタリアでも屈指の観光都市が水の都ヴェネツィアです。 その見所の中心は、カナル・グランデと呼ばれる町の真ん中を流れる大運河になります。 この大運河の長さは3,800メートルにも及び、ヴェネツィアの象徴と言える存在です。 運河の流れに沿うようにして、様々な施設が建ち並んでおり、市内の口中の大動脈としての機能があります。 そのため、数多くのヴァポレットと呼ばれる水上バスや、ゴンドラが走っており、水の上から絶景を楽しむことができます。

特に見所は、ヴェネツィアで最も美しいと言われるリアルト橋で、その橋の下をくぐる体験は感動的でおすすめです。 また、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂や、サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会などの、美しい建築物も水の上から楽しむことができます。

10. ピサの斜塔(ピサ)

大聖堂と斜塔が並ぶピサのドゥオモ広場

ピサの斜塔は、イタリア中部トスカーナ州にある人口約9万のピサ市にあるピサ大聖堂の鐘楼です。 この鐘楼は、奇跡の広場と呼ばれる「ピサのドゥオモ広場」を構成する観光スポットで、1987年にユネスコの世界文化遺産として登録されています。

建築家のボナンノ・ピサーノによって手がけられたこの鐘楼は、1173年に着工され、199年の歳月を掛けて建設されました。 しかし、建設直後から地盤沈下が起こり、補正を試みましたが傾斜したまま完成してしまいます。 ピサロマネスク様式の建築で白い大理石が美しく、円柱に囲まれた6層の回廊の上に鐘楼があります。 螺旋階段で屋上まで行くことができ、そこからは大聖堂や礼拝堂、ピサの町並みの絶景が広がります。

また、ピサの斜塔の前にある芝生の広場では、多くの観光客が斜塔を支えたり、足で蹴ったりしているようなトリック写真を撮影している姿が見られます。

公式サイト: http://www.opapisa.it/en/

訪れるべき他のイタリアの観光スポット

ここまでイタリアが誇る観光スポットで、特に必見の10ヶ所をご紹介しました。 ですが、イタリアには主要都市ローマ、フィレンツェ、ミラノ以外にも、魅力的な観光地が数え切れないほどあります。

観光客があまり訪れない小さな街や教会にも、魅力がたくさん詰まっています。 初めての方でも慣れている方でも楽しめるようなイタリアの訪れるべき観光地を20ヶ所ご紹介しましょう。

11. サン・マルコ寺院(ヴェネツィア)

サン・マルコ広場に面して建つサン・マルコ寺院の正面

サン・マルコ寺院はヴェネツィアにある有名な大聖堂です。 ナポレオンに「世界一美しい広場」とも称されたサン・マルコ広場の東側に建てられています。晴れた日に広場に向かうと、太陽の光に輝くサン・マルコ寺院の黄金の尖塔がどの方角からも見ることができるはずです。

また、荘厳な大理石造りの二層立ての寺院は、精緻な彫刻に飾られており、ロマネスク・ビザンチン様式建築の傑作として評価を受けています。 この寺院は、828年にヴェネツィアの商人がアレキサンドリアから持ち帰った聖マルコの遺体を祀るために建築されました。

聖堂内には天井一面に広がる黄金のモザイク画や大理石の柱、宝石を埋め込んだ黄金の衝立など、贅を尽くした煌びやかで華麗な空間が広がっています。

公式サイト: http://www.basilicasanmarco.it

12. ポジターノ(サレルノ県)

切り立った崖に立ち並ぶ色とりどりのポジターノの街並み

ポジターノは、南イタリアのカンパニア州サレルノ県にある人口約3900人の小さな町です。 1997年にユネスコの世界文化遺産に登録されたアマルフィ海岸の西端に位置しており、アマルフィ海岸の宝石と言われています。

カラフルな街並みが特徴のポジターノは、イタリア屈指の高級リゾート地で、絵に描いたような絶景が楽しめる人気の観光スポットです。 レストラン、カフェ、お土産店などがたくさんあり、ショッピングを楽しむことができます。

また、雰囲気の良いレストランも多く、美しい地中海を眺めながら、魚介を中心にしたグルメを楽しめます。

公式サイト: http://www.positano.com/

13. スペイン広場(ローマ)

スペイン広場の大階段と噴水

スペイン広場は、ローマの中心街にある広場で、映画『ローマの休日』を見たことがある人ならば知らない人がいないほどの有名な場所です。 ローマの中で一番の賑わいがある場所と言われるように、多数の観光客が訪れ、人が絶えることはありません。

この広場がスペイン広場と呼ばれるようになった由来は、17世紀に広場の南側にスペイン大使館があったため、このように名付けられました。 137段あるスペイン階段を上った先には、トリニタ・ディ・モンティ教会があります。

また、階段の一番上からは、遠くにサン・ピエトロ大聖堂のクーポラが見え、美しいローマの街並みを見渡すことができます。 なお、映画では、主演のオードリー・ヘプバーン扮するアン王女がジェラートを食べるシーンが有名ですが、今では保全のため階段で食べることは禁止されています。

14. ポンペイ(ナポリ県)

大理石像や柱が並ぶポンペイの野外博物館

ポンペイは、イタリアのナポリ近郊にあった古代都市です。 79年の夏にヴェスヴィオ火山の噴火により、一夜にして地中に埋もれた町として知られています。

18世紀に行われた発掘作業により、街並みや建物、壁画などの美術品が当時の面影のまま姿を現しました。 これは街を覆った軽石と火山灰が乾燥剤の効果を果たし、劣化を防いでいたためでした。

そのため、ローマ帝国の商業区として、また貴族たちの保養地としても栄えていた都市の面影を残しており、2000年以上前の人々がどんな街作りをし、どんな生活をしていたのか実感することができます。 なお、1997年には、遺跡は「ポンペイ、ヘルクラネウム及びトッレ・アンヌンツィアータの遺跡地域」としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。

公式サイト: http://www.pompeionline.net/

15. フォロ・ロマーノ(ローマ)

夕陽を受けるフォロ・ロマーノの遺跡

フォロ・ロマーノは、ローマにある約2000年前の古代ローマの遺跡群で、人気観光地として有名です。 フォロ・ロマーノとは「ローマ市民の広場」という意味で、政治や宗教の中心地として栄えていましたが、帝国の衰退とともに廃墟と化してしまいました。 ユリウス・カエサルが演説をしたり、歴代皇帝たちが凱旋したりした場所でもあります。

歴代皇帝が建てた神殿や、凱旋門、そこに続く聖なる道など非常に見所が多く、年間600万人の観光客が訪れる人気の観光スポットです。 また、フォロ・ロマーノの注意点としては、広い敷地に風や太陽を遮るものがほとんどないため、夏は暑く冬は寒いので気候対策が必須ということです。

16. アカデミア美術館 (フィレンツェ)

アカデミア美術館に展示されているミケランジェロのダヴィデ像 Dimitris Kamaras

アカデミア美術館は、ウフィツィ美術館と共にフィレンツェの人気観光スポットです。 ミケランジェロの傑作『ダヴィデ像』が展示されており、西洋美術界で最も有名な彫刻像の一つを見るために、世界中から数多くの観光客が訪れています。 その他にも合計7点にも及ぶミケランジェロ作品が所蔵されており、ミケランジェロの美術館というイメージが定着しています。 もちろん、それ以外にも見所は多く、1300年代のゴシック期の作品や1400年代ルネッサンス期の作品、1500年代のマニエリズムの作品、ロシアイコンのコレクションや古楽器コレクションなどが展示されています。

17. トレヴィの泉(ローマ)

ボーリ宮殿の壁の前に広がるトレヴィの泉

トレヴィの泉はローマで最も有名な噴水で、1980年にユネスコの世界文化遺産に登録された、ローマ歴史地区の一つに含まれます。 大理石の噴水の中央には、ポーリ宮殿の壁を背後にして、ギリシア神話の神様をモチーフにした壮麗な彫刻が並んでいます。

バロック様式の代表的な噴水であるトレヴィの泉が現在のような形になったのは1700年代半ばのことでした。 ローマでも一、二の人気を争う観光スポットであるトレヴィの泉のおすすめ観光コースは、近くのお店でジェラートを買い、ゆっくり食べながら散策するものです。

また、トレヴィの泉といえば、フェリーニの映画『甘い生活 La Dolce Vita』でもおなじみの、噴水に背を向けてコインを投げ入れる儀式が有名です。

18. カンポ広場(シエナ)

青空の下広がるカンポ広場

カンポ広場は、イタリア中部トスカーナ州シエナの中心部にある歴史的な広場で、シエナの観光スポットランキングにおいて1位を誇る人気の観光名所です。 カンポ広場の一番の見所は、貝殻の形をした広場を九つに分ける扇状のデザインです。

これは当時のシエナを支配していた九名の支配者を意味しており、白石で九つに分けられました。 この扇の付け根に向かって傾斜状に造られており、カンポ広場に隣接するマンジャの塔から一望することができます。

また、この広場を訪れるのであれば、1147年に始まり800年以上もシエナで開催されている競馬競技「パリオ」に合わせることをおすすめです。 中世から続くこのイベントには世界中からたくさんの観戦者が訪れ、町中がお祭り騒ぎになります。

19. サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(フィレンツェ)

フィレンツェの街の中心に立つサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

花の聖母大聖堂を意味するサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂は、巨大なドームが特徴のルネサンス建築を代表する建築物です。 石積み建築のドームとしては世界最大と言われており、その赤いクーポラ(丸屋根)はフィレンツェのシンボルとなっています。 大聖堂の建物自体は1436年に完成していましたが、その後もファサードの改修は続き、1887年までに今の装飾となりました。 建物自体はゴシック様式ですが、ファサードはネオゴシック様式となり、13世紀から19世紀の様式が一つの建物に共存しています。

大聖堂の見所としては、赤、緑、白の大理石で作られたジョットの鐘楼や、クーポラの展望フロアです。 どちらもフィレンツェ市内を一望できる2大絶景スポットとして非常に人気があります。

公式サイト: https://www.museum

20. スフォルツェスコ城(ミラノ)

青空の下のスフォルツェスコ城の中庭

スフォルツェスコ城はミラノ旧市街の北西部、広大なセンピオーネ公園の入り口に建っています。 元々この城はかつてミラノを支配していたヴィスコンティ家の居城でしたが、1450年にミラノ公フランチェスコ・スフォルツァによって改築されました。 この城の佇まいはルネサンス君主の優雅な居城というよりは、中世の堅固な要塞のおもむきが感じられます。

一番の見所は、入り口正面に立っている高さ109mのフィレーテの塔で、中央にはミラノの守護聖人である聖アンブロージョ石像が据えられています。 他にはレオナルド・ダ・ヴィンチが、天井画を描き、装飾を施した板張りで作られたアッセの間も見所の一つです。

また、スフォルツェスコ城の内部は市立美術館として公開されており、ミケランジェロ最後の作品である『ロンダニーニのピエタ』や数多くの彫刻や美術品が展示されています。

公式サイト: https://www.milanocastello

21. ジュリエットの家(ヴェローナ)

ジュリエットの家のバルコニー Lo Scaligero

イタリア北部の町ヴェローナは、シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の舞台となった町です。 ジュリエットのモデルとなったカプレーティ家の娘が住んでいた家が、ジュリエットの家としてヴェローナで一番人気の観光名所となっています。 現在は物語にちなんだ博物館となっていますが、物語の中でロミオがジュリエットに愛を語ったバルコニーも残っています。

他の見所としては、門の付近に残されている名前を書いた無数の錠前や、通路の壁一面に貼り付けられたラブレターや落書きです。 また、中庭にあるジュリエット像の右胸を触ろうとする長蛇の列も目を引くはずです。

これらの不思議な光景は、全て恋愛成就のための言い伝えによるもので、数多くの観光客達がその夢を叶えるために行っていきます。 中庭にはお土産屋さんもあり、ヴェローナのお土産から、ロミオとジュリエットに関するものまで買い物することができます。

22. アグリジェントの神殿の谷(アグリジェント)

青空の下のコンコルディア神殿の遺跡 Evan Erickson

シチリア島の南西部にあるアグリジェントの町には、神殿の谷と呼ばれる古代ギリシアの考古遺跡が残っています。 アグリジェントは、かつて詩人ピンダロスが「人類の都市で最も美しい場所」と称したほど栄えていたギリシアの植民都市でした。

現在では、古代ギリシア時代の遺跡群が並ぶ都市としてシチリア島でも人気の観光スポットとなっています。 見所としては、古代ギリシア時代の面影を残すコンコルディア、ジュノー、ヘラクレスなどの20あまりの神殿です。 この神殿の谷を見学する際は、長い距離を歩きますので長時間野外を歩ける準備をしておくことが大切です。

なおこの場所は、アグリジェントの遺跡地域として、ユネスコの世界文化遺産として1997年に登録されました。

公式サイト: https://www.parcovalle

23. マテーラの洞窟住居(マテーラ)

石灰岩の洞窟住居が並ぶマテーラの旧市街地 Bönisch

イタリア南部のバジリカータ州マテーラには、岩を掘って造られた、サッシと呼ばれる洞窟住居が広がっています。 グラヴィーナ渓谷の斜面の岩肌を掘って造られたサッシが何層も重なって渓谷を埋め尽くす壮観な景観は、映画『パッション』のロケ地にも選ばれました。 1993年には、マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。

日本では馴染みが薄いため、観光客も少ない穴場スポットでもあります。 見所としては、巨大な石灰岩をくりぬいて建設されたサンタ・マリア・デ・イドリス教会や、当時の生活を垣間見られるグロッタの家があげられます。 また、マテーラのおすすめグルメとしては、IGP(保護指定地域表示)にも認定されているパンであるパーネ・ディ・マテーラがあります。

24. 青の洞窟(カプリ島)

切り立った崖にある青の洞窟の入り口 hu:User:Pilgab
真っ青な青の洞窟内部の水面 Adrian Pingstone (Arpingstone)

青の洞窟とはイタリア南部のカプリ島にある海食洞のことで、南イタリアを代表する人気観光地の一つです。 水面から放たれる深い青色の輝きが暗い洞窟内を包み込んで神秘的な空間が広がります。 この洞窟を見るために世界中から観光客が訪れ、日帰りの現地イタリアでの観光ツアーも非常に人気があります。 ただし、洞窟の入り口が狭く波が高い日は入れませんし、日光が遮られる雨の日には青い光を見ることができません。 そのため、この青の洞窟のベストシーズンは雨が少ない夏場で、逆に冬の時期は寒い上に降雨量が多いため、入場確率は極めて低いです。 またカプリ島は高級リゾート地としても知られ、お洒落なお店やレストランが多いマリーナ・グランデ周辺は、雰囲気のある街並みを散策する観光客であふれています

25. コルティーナ・ダンペッツォ(ヴェネト州ベッルーノ県)

ドロミーティ山脈の麓に広がる緑の風景を望むコルティーナ・ダンペッツォの街並み

コルティーナ・ダンペッツォは、ヴェネト州ベッルーノ県にある高級リゾート地として人気が高い町です。 ドロミーティの山岳地帯に位置しており、三千メートル級の山々に囲まれ「黄金の盆地」と呼ばれています。 1956年には、この町を中心に冬季オリンピックが行われたことでも有名なこの町は、夏や冬を問わず高級リゾート地としての人気は高いのです。 全長115キロメートルを超えるコースを持つアルプスを代表する美しいスキータウンであり、スキーをするために冬には数多くの人が訪れます。

夏には避暑地として人気があり、ロープウェイやリフトを使うことで手軽に山頂まで赴け、ハイキングをしながら大自然の絶景を堪能できます。

26. ヴェスヴィオ山(ナポリ)

ヴェスヴィオ山の麓に広がるナポリの街

ヴェスヴィオ山はカンパニア州ナポリ県にある標高1277メートルあまりの活火山です。 79年に大噴火で放出された火山灰が、一夜にしてポンペイの街を埋没させ、何千人もの死者を出しました。 現在、噴火口近辺は国立公園となっており、活火山であるこの山の1.2キロメートルの深さのクレーターから立ち上る煙を見ることができます。

また、山頂からはナポリ市街の全景や、ポンペイを見下ろす雄大なパノラマが広がっており一望することができます。 頂上付近にはお土産屋さんもあり、「キリストの涙」という意味のラクリマ・クリスティという地元ワインなどを味わうことができます。 登る際には、登山道は整備されていますが日差しを遮るものはないので、日焼け対策や水分補給に注意する必要があります。

27. サン・ジミニャーノ歴史地区(トスカーナ)

丘の上に広がるサン・ジミニャーノの街並み

トスカーナ州の共同体サン・ジミニャーノは、標高約324メートルの丘の上に広がる中世の姿を留める美しい町です。 サン・ジミニャーノは、塔の街ともいわれ、世界中から多くの観光客が訪れるイタリア屈指の人気観光地です。 13世紀の城壁に囲まれた町の中には、高い石造りの塔が最盛期には72本ありましたが、現在ではグロッサの塔など14の塔が現存するのみです。 それ以外にも、ドゥオモ広場やチステルナ広場など、塔とだけでなく街並み全般に中世情緒あふれる雰囲気と面影を今も残しています。

この情緒ある塔の街並みと文化は、1990年にサン・ジミニャーノ歴史地区として、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。 また、サン・ジミニャーノのおすすめの地元郷土グルメがタリエーリという、スライスした生ハムやサラミ類と切り分けたペコリーノチーズとのミックス盛り合わせです。

公式サイト: http://www.sangimignano

28. チンクエ・テッレ(リグーリア海岸)

リグーリア海岸にあるカラフルな建物が並ぶチンクエ・テッレの風景

チンクエ・テッレとはイタリア語で「5つの大地」を表す言葉です。 その言葉の意味通り、イタリア北西部のリグーリア海岸にあるモンテロッソ・アル・マーレ、ヴェルナッツァ、コルニリア、マナローラ、リオマッジョーレの5つの村総称です。 それぞれの村ごとに見所があるのですが、西北端にあるモンテロッソ・アル・マーレはホテルやお土産屋さん、レストランなどが豊富でチンクエ・テッレ観光の拠点となります。

ヴェルナッツァは小さな港の周辺に発展しており、ビーチはありませんが高台から臨む街並みは絶景です。 唯一海に面していないコルニリアはブドウの段々畑に囲まれており、最も小さいため散策するにはうってつけです。 マナローラにはチンクエ・テッレの名物ワインであるシャケトラの博物館があり、お土産としておすすめの一品です。 そして、最東端のリオマッジョーレはチンクエ・テッレで一番大きな村で、最も風景が取り上げられる場所でもあります。

また、マナローラから海岸沿いに結ぶ「愛の小道」という遊歩道があり、美しい海の風景を見ながら歩いてくることもできます。

29. コモ湖(ロンバルディア)

コモ湖の湖畔に広がるリゾートタウン

コモ湖はイタリア北部のロンバルディア州にあるイタリアで3番目に大きな湖です。 ミラノの北部、北イタリアのスイスの国境近く、アルプスの麓という絶好の位置にあり、セレブたちの集まる避暑地となっています。 湖畔の周りにある小さな街々は、どれもまるで宝石のように美しく、湖と山々、趣向を凝らしたヴィラが作り出す風景は、他の地域にはないコモ湖ならではの絶景です。

その歴史は古く、ジュリアス・シーザーやローマ皇帝たちが保養のために訪れており、その後もヨーロッパの各王室や大富豪などが別荘を建てるなど、多くの人々に愛されてきた保養地です。 コモ湖では遊覧船やゴンドラなどを使って、ゆったりとくつろぎながら美しい景色を堪能することができます。

また、コモ市の街中にはブティックやお土産屋さんなどが立ち並んでいるので、お買い物を楽しむこともできます。

30. ヴァル・ドルチャ(シエナ)

麦畑とブドウ畑が広がるヴァルドルシアの田園地帯

まるで絵画のような美しい絶景が広がる場所が、イタリア中部トスカーナ州シエナ県にあるヴァル・ドルチャです。 ヴァル・ドルチャとは、「オルチャの谷」という意味を表し、オルチャ渓谷とも訳されます。 シエナの南東部に広がるこの一帯は、なだらかで広大な丘陵地に糸杉が並ぶ風景で知られる田園地帯です。 この渓谷の美しい景色は古くから芸術家たちを惹きつけており、様々な絵画の題材とされてきました。 そのため、景観の保全だけではなく芸術の保存を目的に2004年にユネスコの世界文化遺産として認められました。 また、ヴァル・ドルチャは観光する範囲が広く、効率よく巡るためにはイタリアでの観光ツアーへの参加をおすすめします。

イタリアを地図で見ると、北から南まで南北に長く、長靴のような形をしています。 そのためイタリアの観光地は、地域ごとに歴史や風土が違い、雰囲気だけでなく食べ物も様々な特徴があり見所に溢れています。 ですから、イタリア観光を考える場合は、滞在日数を最低でも四泊取り、イタリア北部のミラノを起点とし、ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマへと南へ下っていくコースがイタリア旅行のおすすめプランとなります。 もし、日数に余裕があればローマからさらに南下し、ナポリまで足を伸ばす半島縦断コースもおすすめです。 逆にミラノでのお買い物を楽しみたいという方は、ローマから北上していくプランも、荷物が増えないのでおすすめです。 ぜひとも、今回の記事で見てきた内容を、イタリアでのガイドにしながら、数多くの観光名所を訪れてください。