ベルギーのおすすめ観光スポットTOP25

ベルギーは、フランスやオランダ、ドイツに接しており、古くからヨーロッパの交通や交易の要衝として栄えてきました。このため、観光名所には中世の面影を残している場所が数多いうえ、おもしろいアートや豊かな自然が見られるところもあります。

またフランス語とオランダ語、ドイツ語が日常的に使われているうえ、観光では英語も使いやすい土地柄です。ほかにも日本人にとっては、チョコレートやワッフルでも有名な国としても知られています。今回はベルギーの観光スポットでも、ぜひ立ち寄りたい25ヶ所をご紹介しますので、ぜひともベルギーでのガイド代わりにご活用ください。

最初に見るべきベルギーの観光地リスト

中世に毛織物産業や商業で栄えたフランドル(フランダース)地方の中心にあるベルギー。ベルギーの代表的な観光名所は、歴史関係の場所が非常に多いです。ここではまず、ベルギーで見るべき観光名所を10ヶ所ご紹介します。

1. ブルージュ歴史地区

ブルージュ歴史地区に残る中世の街並み

ブルージュはベルギー北西部にある古都で、運河に架かる多くの橋が街の名前の由来になっています。ベルギーでの観光ツアーで訪れる都市でも定番とされるところの1つです。9世紀にフランドル伯が城を築いてから街が整備され、13~14世紀にはフランドル地方の中心都市として毛織物業や交易で栄えました。15世紀には運河が使えなくなって衰退しましたが、おかげで戦乱などに巻き込まれることなく、中世の街並みがそのまま残っています。歴史地区は2000年に世界遺産とされ、市庁舎や聖血礼拝堂、マルクト広場など中世を体験できるようなスポットも数多いです。ほかにもかつて機能していた運河も、現在では土砂が取り去られる形で復旧され、街並みを鑑賞できるクルーズ船が行き交う名所になっています。

公式サイト: https://www.visitbruges



2. 聖バーフ大聖堂の祭壇画『神秘の子羊』(ゲント)

祭壇画『神秘の子羊』が保存されている聖バーフ大聖堂
聖バーフ大聖堂の祭壇画『神秘の子羊』 Web Gallery of Art

聖バーフ大聖堂は、ブルージュと並ぶ古都・ゲントの中心にある教会です。13世紀から16世紀にかけて、地元の毛織物商人などが中心になり、少しずつ建立されました。この大聖堂で一番の見どころが、15世紀にフランドルで活躍したファン・アイク兄弟が描いた祭壇画『神秘の子羊』です。キリストを題材にした12枚の絵で、15世紀当時のフランドル絵画を代表する作品に数えられます。描かれているキリストなどが目の前にいるようなリアリティを楽しめる点が特徴です。長い間行方不明になったり損傷したりしていましたが、最新技術を駆使した修復を経て2019年に公開され、ゲント観光における注目の的になっています。

公式サイト: http://www.sintbaafskathedraal



3. イン・フランダース・フィールズ博物館(イーペル)

イン・フランダース・フィールズ博物館の展示

イーペルはベルギー西部にある街で、20世紀には第1次世界大戦の戦場にもなりました。また世界で最初に毒ガス兵器が投入されたというという負の遺産があることでも知られています。イープルを舞台とした破壊や殺戮の歴史を後世に伝える博物館が、イン・フランダース・フィールズ博物館です。大戦時に兵士が身に着けていた装備品や武器が展示されているほか、音響や映像をも使って兵士や地域住民などの視点から当時の悲惨な実態が解説されています。また若者向けのプログラムがあり、博物館の展示だけではなく大戦で犠牲になった人々のお墓なども見て回る内容です。

あらためて戦争がもたらす惨禍や悲劇と、平和の大切さを考えるうえで一見の価値があるでしょう。

公式サイト: http://www.inflandersfields

4. フランドル伯居城(ゲント)

レイエ川のほとりにあるフランドル伯居城

9世紀から18世紀にかけてベルギーを治めたフランドル伯の居城で、もともとは北欧のバイキングに対抗する目的で建てられた城です。城館の周りを何度も強固に改築することによって、現在見られる姿となりました。18世紀にフランドル伯が去った後、紆余曲折を経て、現在は中世に使われた甲冑や拷問道具を展示する博物館となっています。城は城壁の上や通路など、かなりの部分を見て回れるため、中世にタイムスリップした気分を味わえるのがポイントです。館内の展示も当時の武具などを間近で見られるため、目の前に騎士がいるように感じられるでしょう。

公式サイト: https://gravensteen.stad.gent

5. 聖血礼拝堂(ブルージュ)

聖血礼拝堂内部

ブルージュの歴史地区にそびえる中世の教会です。フランドル伯ティエリー・ダルサスが十字軍遠征の際にキリストの血(聖血)を持ち帰ったという伝説に由来して、12世紀に建てられました。建物自体は12世紀当時の教会建築であるロマネスク様式で建てられ、その後15世紀にバシリカ様式に改築されて現在に至っています。この礼拝堂で最大の見所は、名前の由来になった「聖なる血」です。現在では毎週日曜のミサ終了後に、聖遺物としてガラス容器の中に入っている状態で見られます。キリスト教徒でなくても見られますが、見学の際はいくらか寄付をするとなお良いでしょう。

公式サイト: http://www.holyblood

6. ミューズ渓谷

ミューズ川に沿った渓谷

ベルギーでおすすめの観光スポットは、歴史関係ばかりではありません。フランス北東部からオランダまで流れるミューズ川は、ベルギーでも東部を流れます。特にリエージュ付近にあるミューズ川渓谷は、ミューズ側の沿岸でも最も美しい風景とされており、石灰岩と豊かな緑に抱かれていることで有名です。ミューズ渓谷には自転車道も整備されているため、ゆっくりと自転車で自然が織りなす風景を目で楽しめます。なおリエージュは6世紀から続く歴史の長い都市で、渓谷の石灰岩上に昔ながらの建物が建っているため、その姿もまた壮観です。

7. グランプラス(ブリュッセル)

グランプラスのフラワーカーペット Wouter Hagens

中世以来の街並みが残る都市が多いのがベルギーの特徴です。古い街並みが残っている都市では、街の中心に広場があり、周りに市庁舎や教会など大型の建築物が建っています。ベルギーの主な都市に残る広場で最も有名なものが、首都ブリュッセルにあるグランプラスです。ブリュッセル観光だけではなくベルギー観光でも観光スポットランキングで1位や2位を争う名所で、1998年には世界遺産にも登録されています。『レ・ミゼラブル』の作者として知られるヴィクトル・ユゴーが、「世界で一番美しい広場」と評価したほど美しい風景を持っていることでも有名です。

周りにある15世紀に建てられた市庁舎やギルドハウス、その前で開かれるマーケットなどが作り出す風景は、まさに中世から織物や商業で栄えたベルギーの歴史や文化を体現しています。なお市庁舎などは夜になるとライトアップされて感動的な風景を見せるほか、クリスマスマーケットやフラワーカーペットなどのイベントも多彩です。

8. モンス旧市街

モンスの鐘楼

モンスはベルギー南部ワロン地域の中心都市で、7世紀に起伏の激しい地形にできた山の上に街が築かれたことから、ラテン語で「山」を意味するモンスで呼ばれています。モンスも古い町並みが残る都市で、特に旧市街にはゴシック風の教会や、グランプラスに面した青緑色の屋根が目印の市庁舎など見どころが多いです。

市庁舎の裏庭には、「市長の庭」と呼ばれる庭園があり、中心にはいたずらっ子を表現したロビウールの噴水があります。また世界遺産にも認定されている、高さ87mの鐘楼もおすすめの名所で、内部からはモンスの旧市街を一望できるうえ、空の上から中世の街並みを感じられるでしょう。

9. 聖ペテロ教会(ルーヴェン)

鐘楼を備えた聖ペテロ教会

ブリュッセルの東に位置するルーヴェンにある教会で、10世紀から建てられ始め、15世紀に完成しました。市庁舎とともにルーヴェンのシンボルとして名高く、中でも高さ50mを誇る鐘楼は世界遺産に指定されています。教会の内外には宗教画など芸術作品があり、この教会を訪れた際の主な見所です。代表的なものとして、宝物館に収められているディーリック・バウツ(15世紀にルーヴェンで活躍した画家)の『最後の晩餐』が挙げられます。ほかにもフランドル派画家が残した作品や聖母子像など、15世紀当時の宗教的な芸術作品がいろいろとあるため、そちらもぜひ見てみると良いでしょう。

10. ワーテルロー古戦場跡

ライオンの丘にそびえる記念碑

ブリュッセルの南約20㎞にある古戦場跡で、ナポレオンが1815年に生涯最後の「ワーテルローの戦い」に臨んだ場所です。主な見どころに、ワーテルローの戦いをテーマにしたメモリアル1815館とライオンの丘があります。メモリアル1815館は、ワーテルローの戦いをナポレオンのほか、彼と戦ったイギリスやプロイセンなどの視点からも解説している博物館です。特に人形展示は、非常に細部まで作り込まれていて、抜群の見ごたえがあります。

ライオンの丘は博物館の近くにあるライオン像のある人口の丘で、そこからは戦場となったワーテルローの風景を一望できる場所です。麓には

ベルギーの観光名所:ベルギー滞在中にほかに何を訪れるべきか

ここまでベルギーが誇る観光スポットで、特に初めてでも回っていただきたい10ヶ所をご紹介しました。しかしベルギーには上記でご紹介した10ヶ所以外にも、見回らなければもったいないスポットもあります。ここからは、よりディープにベルギーを楽しめる人気観光地を15ヶ所ご紹介しましょう。

11. スモワ渓谷

スモワの美しい渓谷とスモワ川の渓流

スモワ川はミューズ川の支流で、ベルギーで最も南に位置するゴーム地方を流れています。比較的山間を流れるこの川の流域には起伏に富んだ地形の渓谷があり、ベルギーでも有数の自然スポットです。車を出してドライブをしても、またじっくりと川沿いを散策しても、豊かな渓谷の自然をじっくりと楽しめます。渓谷沿いにはさまざまな町や農村があり、中でもブイヨンは最初の十字軍を率いたゴドフロワ・ド・ブイヨンの居城があることで有名です。また途中の農村でもレストランなどで地元料理の食事をしつつ、眼下にスモワ渓谷の美しい風景を楽しめるところも多くあります。

12. ノートルダム大聖堂(トゥルネー)

トゥルネーのノートルダム大聖堂

ノートルダムといえば、パリにあるものが有名です。実はベルギー西部、フランスとの国境に近いトゥルネーにも、12~13世紀に建てられたノートルダム大聖堂があります。こちらも世界遺産に登録されている教会で、調和の取れた配列や見事なステンドグラスから、ベルギー随一の美しさを誇る教会建築といわれているほどです。内陣は途中で改築されてゴシック様式になっていますが、入口側の通路付近は12世紀の頃のままで一見の価値があります。ほかにも内部には全長22mにも及ぶタペストリーや、ベルギー7大聖遺物に数えられる「聖母マリアの聖遺物箱」などの品々も見ごたえ抜群です。また外から見ても、5つの塔がそびえる姿は壮観そのもので、つい写真に撮っておきたくなるでしょう。

13. リエージュ—文化や交通の結節点

リエージュの街全景

ベルギー東部、ミューズ川が作るミューズ渓谷のほとりにあるリエージュも、ベルギー観光ではぜひおすすめです。リエージュは古くからオランダやドイツとの国境に近いため、交通の要衝として交易で栄えてきました。ただブリュッセルやアントワープに比べると観光地化されていない分、古くから残る街並みをありのままに見られるのがポイントです。

街には中世に建てられた聖バルテルミー教会や君主司教宮殿、聖ポール大聖堂など往時の繁栄を今に伝える建物がたくさんあります。また北側にあるビューラン山の頂上は、リエージュの街並みを一望できる高台になっているため、ぜひおすすめです。なおリエージュは日本でもおなじみの食べ物であるベルギーワッフルの本場としても知られ、街中には多くのワッフルのお店があり、食べ歩きで楽しめます。

14. 小便小僧(ブリュッセル)

有名な小便小僧の像

小便をする男の子を表現した「小便小僧」は世界中にありますが、中でも本家かつ最も有名なのがブリュッセルの小便小僧です。ブリュッセルの小便小僧は、グランプラスから南に行ったところに設置されている高さ55㎝の像で、17世紀に彫刻家デュケノワが製作しました。由来は諸説あるものの、12世紀の王子が戦場で味方を鼓舞するために敵側へ小便をかけた説と、クーデターの際に少年が火薬の導火線に小便をかけて街を救ったという説が有名です。ちなみに現在ある像はレプリカで、本物は盗難を避けるためブリュッセル市博物館に収められています。

小便小僧は普段全裸の状態で水をかけていますが、たまに何らかの服装を着せられているため、全裸と決めつけないで見に行ってみると楽しみが増えるでしょう。また水ではなくビールを流している場合もあり、その際はビールも飲めるため、お酒好きな方にとってもおすすめの場所です。いずれにせよ、ブリュッセルでも遊び心をくすぐられるようなスポットであるため、ブリュッセルに立ち寄った際は一度見に行ってみると良いでしょう。

公式サイト: https://www.brussels.be

15. シャルルロワ

シャルルロワの夜景

シャルルロワはベルギーの南部にある、ベルギーで4番目に大きい都市です。もともと炭鉱業で栄えていましたが、現在では鉄鋼業や印刷業などで栄えています。ブリュッセルからも約50㎞と非常に近いうえ、シャルルロワ(ブリュッセル南)空港やシャルルロワ南駅もあり、非常に交通の便が良いです。特に空港は近年、中国などアジア方面との航路も整備されているため、将来的にアジアからより多くの観光客がアクセスしやすくなる点が期待されています。

市内にある市庁舎には立派な鐘楼があり、ベルギーに数多くある世界遺産に登録された鐘楼群の1つに数えられています。またシャルルロワ南駅のすぐ近くには、大型ショッピングモールであるリヴ・ゴーシュもあり、買い物やお土産探しを十分に楽しめるでしょう。ヨーロッパ各地のファッションブランドが出店しているため、ファッション好きな方におすすめです。

16. ダイヤモンドストリート(アントワープ)

アントワープのダイヤモンドストリートにある宝石店の看板 Kristina D.C. Hoeppner

アントワープはベルギー有数の歴史ある大都市であるとともに、世界有数のダイヤモンド取引が盛んな都市でもあります。15世紀にインド産のダイヤモンドを持ち帰ったポルトガル商人がアントワープで取引したのが始まりで、まもなくダイヤモンドの研磨所で原石の加工を行う業者も現れました。アントワープの中でダイヤモンド取引が盛んな地区が、アントワープ中央駅近くにあるダイヤモンドストリートです。監視カメラやゲートも完備しているため、犯罪の心配なく観光できます。1800もの業者がお店を構えているため、普通にダイヤモンドを見ながら回るだけでも楽しいです。ほかにもダイヤモンドをテーマにした博物館もあるため、こちらも回ってみると良いでしょう。

17. アトミウム(ブリュッセル)

アトミウムの全景 Paweu88

ブリュッセル郊外にあるエゼル公園に建つ不思議なモニュメントです。1958年にブリュッセルで万国博覧会が開催された際、シンボルタワーとして建てられました。高さは103mで、9つの球体とそれらを結ぶ軸を使って、鉄原子の結晶構造をそのまま表現しているのが特徴です。内部はエスカレーターやエレベーターで結ばれており、球体によってホテルやレストランなどがあります。のんびり過ごしながら、遠くに見えるブリュッセル市街地を楽しめるのが見所であるため、ベルギーでのホテルの1つに加えてみてはどうでしょうか。なおブリュッセルの中心部からアクセスする際、比較的時間がかかるため、余裕を持って見に来ると良いでしょう。

公式サイト: http://www.atomium

18. マグリット美術館(ブリュッセル)

ブリュッセルのウォーバーグにあるマグリット美術館のファサード Warburg

ブリュッセルにある王立美術館の一部を改装し、2009年にオープンした美術館で、グランプラスとともに高評価の口コミやレビューが寄せられる場所です。ベルギーが誇る20世紀の国民的な画家で、シュルレアリスムで有名なルネ・マグリットの作品250点を展示しています。彼がシュルレアリスム画家として残したシュールな作品だけではなく、美術学生時代やデザイナー時代に残したものまで展示されているのが特徴です。また美術作品だけではなく、生前マグリットが残した手紙やインタビュー記事も残されているため、マグリットの人柄にも触れられるでしょう。

このため、マグリットその人について知るには最高の場所といえます。

公式サイト: https://www.fine-arts-museum

19. ネモ33(ブリュッセル・ウックル地区)

ネモ33は丸みを帯びた形をしている Sergey Markov
一番底の窓からはバーが見える Sergey Markov

ブリュッセルにある水深35mのプールで、2004年にダイバーのジョン・ビアナートが設営し、その深さはプールとしては世界一です。単に深いだけではなく水温も33度になっており、南の海にいるような気分でダイビングを楽しめます。ただしダイバー資格を持っていない場合は、プロのダイバーと一緒に潜るのが必須です。

なお5mと10m、35mの3つのレベルがあるため、ご自身の状態やスキルに合わせて泳げます。ただのプールではなく、水底近くにバーやレストランが設けられていたり、洞窟を表現した窓があって中に入れたりして遊び心満載です。ちなみにレストランには2m潜って入るものと、中からダイビングを楽しむ人を見るものとがあり、いずれにせよ面白い体験ができるでしょう。

公式サイト: http://www.nemo-33m

20. アントワープ中央駅(アントワープ)

アントワープのアストリッド広場にあるアントワープ中央駅 Rafaël Delaedt (Arafi)

アントワープの玄関口であるアントワープ中央駅は、1905年に建築家ルイ・デラセンセリの手で落成した歴史ある駅です。8つの塔を備え、鐵やガラス、ベルギー産の色大理石をふんだんに使った美しい姿から「世界一美しい駅」としても知られ、過去には映画のロケにも使われた経歴も持っています。

駅自体は地上階と地下1階・地下2階から電車が発着しており、パリやアムステルダムに向かう高速列車も乗り入れているため、ベルギーから周辺諸国の都市へ鉄道で行く際にも便利です。また構内には特別待合室を活用したカフェやワッフル屋もあり、ちょっとした待ち合わせの時間や旅の途中の休憩時間でゆっくりすることもできます。

21. ブルージュの鐘楼(ブルージュ)

マルクト広場にそびえるブルージュの鐘楼 Graham Richter

ブルージュの中心部、マルクト広場に市庁舎の隣に建っている、ブルージュのシンボルとして有名な建物です。当初は13世紀初頭に毛織物業者のギルドハウスとして建てられましたが、破壊・焼失と増改築を経て16世紀に現在の形となりました。最上部には47個の鐘が設置されており、かつては非常時や役所の布告に際して鳴らされていたものです。現在では定刻を知らせるために鳴らされるのが一般的で、美しく荘厳な鐘の音が聞けます。

時折カリヨン奏者が生でコンサートをしてくれる場合もあるため、運試しも兼ねて定刻に出かけてみると良いでしょう。ちなみに内部は登ることができ、366段の階段を登りきればブルージュの街並みが楽しめます。ただし石段の狭いところもあるため、登る際はくれぐれも足元にご注意を。

22. ルーヴェン(デイレ川流域)

ルーヴェンの歴史地区にある観光名所 Wouter Hagens

上記でご紹介した聖ペテロ教会があるルーヴェンは、ブリュッセルから車や電車で30分程度で行ける都市です。ブリュッセルやアントワープなどと同じように中世から毛織物業や交易で栄えたうえ、15世紀にはカトリックで世界最古のルーヴェン・カトリック大学も設置されました。なおこの大学は城の一部を利用しているところもあるため、城と大学が溶け合った風景も楽しめるでしょう。市の中心にある市庁舎は、世界遺産にも登録されているルーヴェン随一のスポットです。外側にはルーヴェンにゆかりのある人物像など緻密な装飾が施されているうえ、夜のライトアップは非常に美しいことで知られています。

また市庁舎の周辺にはマルクト広場やレストラン通りがあり、ビールをたしなんだり、ムール貝やチョコレートなど地元のグルメを堪能できるのもおすすめのポイントです。

公式サイト: https://www.leuven

23. アン・シュール・レッスのアンの洞窟(ナミュール州)

自然の営力で形成されたアンの洞窟 user:Hullie

ベルギー南東部に位置するナミュール州の街アン・シュール・レッス近郊にある洞窟です。ミシュラングリーンガイドでも3つ星を獲得しているほどの自然スポットで、アクセスするにはチケット購入後に、ミニトレインで10分ほど移動します。ヨーロッパで最も美しいといわれるこの洞窟は、全体は14㎞ほどで、観光の際はそのうちの3㎞を歩くことになります。中の気温は13度に保たれているため、季節を問わず快適に見て回れるうえ、鍾乳石や石灰石が作り出した高さ約150mの自然美は圧巻です。なお中は薄暗く滑りやすいところも多いため、足元に注意が必要となります。

公式サイト: http://www.grotte

24. 愛の湖公園(ブルージュ)

ブルージュにある愛の湖公園が作り出す優雅な風景 Luu
愛の湖のほとりにある愛の湖公園 Dennis Jarvis

ブルージュが北海経由の交易で栄える上で大きな役割を果たした港や運河の一部をせき止めて、その周囲を公園にした場所です。現在では白鳥が羽をのんびり休めるさまを眺められるスポットとなっています。現地語で「Minnnewater(共有の水)」と呼ばれていたところで、海外向けに「愛の湖」と誤訳したため、旅行関係でもこの名称が定着しました。

すぐ近くにはペギン会の修道院など歴史的建築物がそのまま残されており、手前の湖で白鳥がゆったりと羽を休めるさまはロマンチックの一言に尽きる風景です。あまりにもロマンチックな風景であるため、失恋の伝説まで生まれたほどでした。ベンチもあるため、カップルでお出かけの際は、腰かけて絶景を見ながら恋の語らいをしてみるのも良いでしょう。

25. ソワーニュの森(ブリュッセル)

ブリュッセルの南の郊外にあるソワーニュの森 Donar Reiskoffer

ブリュッセル近郊にあるソワーニュの森は、ベルギー国内有数の世界自然遺産に登録されている森です。約5000haもの広大な森は、現在のヨーロッパではあまり見られなくなったヨーロッパブナが残っています。ほかにもオークの巨木やリスなどの小動物、野生の草花も多く見かけられるため、ベルギー観光で少し疲れを感じたら、羽休め目的で来てみると良いでしょう。広い森の中は遊歩道が整備されているため、道に迷うことなく自転車や徒歩などでゆったりと森の醸し出す自然を目で楽しめます。また釣りなどのアクティビティを楽しめる箇所もあるため、のんびり静かな時間を過ごしたい場合におすすめです。

ベルギーの観光地をいろいろと見てきましたが、中世の街並みを残しているところや雄大な自然を感じられるところが多いです。もしベルギーを旅したいと感じたら、ぜひ今回の記事で触れた内容やベルギー政府観光局などの公式サイト、旅行パンフレットなどで本格的に旅のプランを練ってみてはどうでしょうか。